「HOSPITAL INFO」病院紹介ページ

HOSPITAL INFO ナース版

第1回 社会福祉法人 恩賜財団 済生会京都府病院

済生会京都府病院は京都府西部の中核病院として、1983年に長岡京市の現在地に移転した。その新たなスタートの中で、看護部は人間の尊厳を尊重した看護を実践し、優れた人材の育成を行う取り組みを始めた。現在も「サポーター制度」の導入など、先進的な看護師教育を行い、患者さんに対して最良の努力を続けている。 今回は長谷川 泰子 看護部長と真壁 五月 看護部教育担当課長にお話を伺った。



◆長谷川 泰子 副院長・看護部長 プロフィール
1971年に国立東京第一病院(現 国立国際医療センター)看護学校を卒業後、都立墨東病院に勤務する。市立札幌病院、済生会川口総合病院を経て、1988年から済生会京都府病院に勤務し、1999年に看護部長に就任となる。2006年に副院長兼看護部長に就任した。
◆真壁 五月 看護部教育担当課長 プロフィール
1989年に徳島大学教育学部特別教科(看護)教員養成課程を卒業後、六地蔵総合病院、済生会京都府病院勤務を経て、1995年からは広島大学医学部保健学科助手として勤務。また広島大学大学院医学系研究科保健学専攻修士課程を修了する。1999年に済生会京都府病院に戻り、2006年に看護部教育担当課長に就任する。


ウォーキング・カンファレンス

済生会京都府病院の看護方式は固定チーム継続受持ち制を採用している。これは担当看護師を中心に患者さんの看護計画を立案し、チームの看護師全員が責任を持って看護を提供するものであるが、看護計画立案では患者さんや患者さんのご家族に参画してもらいながら、ニーズに沿った看護ケアを行っていくことを目指している。そこでの有効な取り組みとして、ウォーキング・カンファレンスの実践が挙げられる。ウォーキング・カンファレンスとは課長、係長クラスを交えて、日勤で勤務するチームメンバー全員で、朝勤務開始時にチーム全員の患者さんの回診を行うものである。

長谷川:患者さんに対して、まずはその日の担当看護師が自己紹介し、担当することを告げ、更にチーム全員で看ていくことも紹介します。そして清拭や検査の時刻などを案内し、患者さんからはお困りになっていることやその時々の思いを伺ったりします。そしてチーム全員で点滴の状態や患者さんの身の回り、ベッド周囲の安全確認を行うのです。複数の目で確認をすることが大事なんですね。

真壁:このウォーキング・カンファレンスは教育の面でも有効です。経験の浅い看護師は看護の仕方に自信が持てないことが多いのですが、先輩看護師がどのように患者さんに関わり、どのようにコミュニケーションをとっているのかを見ながら、勉強していけるのです。実習に来た看護学生もドレーンの入り方など細かなところまで学んでいますよ。またチーム全員が一人の患者さんの情報を共有できることも大きなメリットです。前の日の担当看護師が次の日の担当看護師に患者さんの様子がどう変化したのかを細かなところまで伝えることもでき継続看護を可能にしますし、患者さんにも参加して頂きながら、チームとして24時間看護していけます。

長谷川:この取り組みは看護部の副部長が外部研修で情報を得て、既に取り入れられている他の病院では看護師の定着率が向上しているそうです。私どもでは去年の秋から始めましたが、そろそろ1年になりますので、患者さんへのアンケートを取り、更に改善につなげていく予定です。現在は看護学生の反応も良好で、教育では教科書に書いてあることを学ぶことももちろん大事ですが、臨床現場に居合わせることも大きな意味があると思います。臨床の場で看護師による効果的な言葉がけや患者さんの安心した表情を感じ、人と人の関わりを通じて、実践の醍醐味を味わってほしいですね。




サポーター制度

新卒新人看護師には病院独自の育成プログラムで教育を行っている。プリセプター制度による研修を行っている病院は多いが、済生会京都府病院ではプリセプターに加えて、サポーター看護師を配置し、手厚いバックアップ体制を整えている。

長谷川:サポーターは主に2年目の看護師を任命しています。2年目ですと、1年前の自分を思い出しながら、新人に声をかけていけますし、先輩のような友達のような関わりを持てますね。プリセプターは原則として3年目から5年目の看護師が行いますが、サポーターが職場に馴染むような関わりをしてくれるため、知識と技術を教えることに専念できるのが良いところです。プリセプターは基礎看護技術から重症患者ケアまでしっかり指導し、夜勤もマンツーマンで指導しています。

真壁:新人とプリセプターの1対1だと、プリセプターが精神的にも新人を支えなくてはいけないことが多く、プリセプターの方が疲れてしまうといった弊害がありました。サポーター制度を導入し、プリセプターとサポーターをうまく連動させることで、よりよい教育が行えると思っています。

なお、このサポーター制度は助産師においても同様に導入されている。また中途採用の看護師に関しては、プリセプター1名を配置している。

長谷川:中途採用の場合は基本的な看護技術を持っていますので、プリセプターが技術そのものを教えていくことはあまり必要ないでしょう。しかしながら私どもの職場に慣れてもらうため、また当院の業務の方法を習得してもらうためにプリセプターを必ずつけています。ただ精神科単科の病院の経験しかない看護師が私どもに来ますと、急性期看護に戸惑いが出ます。そういったケースではプリセプターが看護技術を指導し、中途採用者に勉強してもらいますが、逆に精神科領域のことをこちらも習える機会が増え、お互いに勉強になっています。




認定看護師

済生会京都府病院ではWOC看護認定看護師の佐藤桃琴恵さんが活躍している。佐藤さんは床ずれ、創傷(Wound)ケア、人工肛門・人工膀胱のオストミー(Ostomy)ケア、尿や便の漏れ・失禁(Continence)ケアの分野で介護の実践、指導、教育を行っている。そのほかにも感染管理や摂取・嚥下障害看護で認定看護師を希望する看護師もおり、病院としてもバックアップ体制をとっている。

長谷川:さらに、がん性疼痛看護認定看護師の取得を目指してもらおうと考えています。今や3人に1人ががんで亡くなる状況です。看護師として関わることのできる部分が非常に大きく、疼痛をいかに緩和していくのかを学んできてほしいです、生活の質(QOL)に大きく関与することです。




医療管理

このほど医療安全管理者を専従させることで点数加算を得られるシステムが整備されたが、済生会京都府病院でも行政の政策に合わせ、医療安全管理者を置いて、医療安全を徹底している。

長谷川:医療安全管理委員会を月に1回開いて、現場で起こった問題の対策を検討しています。他病院で起こった事例も取り上げ、私どもではどうなのかといった検証や調査を欠かさず行っています。医療行為は人間が行うものですし、毎日なんらかの「ヒヤリハット」は起きるんですね。ただ、そこで人に原因を求めてしまうと事態は改善されません。あくまでもシステムでガードすることが大切なのではないでしょうか。




ボランティア

当院では、平成12年から外来ガイドなどを中心にボランティアが導入され、活動の幅も広がり現在も活躍されている。更に平成17年秋から、済生会京都府病院に放射線科の技師長として長く務めた女性が病院に恩返しをして役立ちたいと「傾聴ボランティア」を申し出られ、条件を整えてスタートした。これは患者さんの辛さ、悲しさなどから生じる言葉を傾聴し、聞き役に徹することで患者さんや患者さんのご家族の心の苦しみを癒すというものだ。その女性のほか、傾聴について研修を受けた浄土真宗本願寺派のビハーラ京都のメンバーがボランティアとして関わっている

長谷川:看護部の役割はボランティアの方と患者さんの仲立ちをすることですね。日々、患者さんと直接接しているのは看護師なのですから。これは認知症の患者さんにも有効ですし、患者さんの遺族の方にも行っています。遺族の方にはご自宅など、病院とは異なる場所にも出向いて活動しています。
私どもでは、ボランティアスタッフに恵まれ、本当に有り難く思っています。このほかにも外来ガイド、移動図書やクッションのカバーなどの縫製、車いすの修理などのボランティア活動があります。




済生会京都府病院の良いところ

済生会京都府病院に勤務して8年目となる真壁課長にお話を伺った。

真壁:良いところとしては、病院の規模が大きすぎず、小さすぎず、全職員の顔がわかることと、何かを始めようとするときまとまって動きやすいことです。看護師も様々な経歴の人がおり、幅広くお互いに学べます。私個人としては、これまで自分が勉強してきたことを活かせる場を作って頂けたことが嬉しいですね。現在は新人看護師が臨床に慣れていけるよう直接話を聞いたり、課長をはじめ各部署の担当者との話し合い、研修の開催がメインです。また看護学校の先生方との打ち合わせや、看護学生のカンファレンスに出席するなど、教育に関する調整業務を行っています。

>>平成19年度看護部教育計画(キャリア開発ラダー) (別ウィンドウにてPDFで開きます。)




今後の展開<

長谷川看護部長に今後の展開について伺った。

長谷川:今年から7:1看護体制になりましたが、今後は急性期に応じた質の高さが求められていくでしょう。しかし質だけでなく、医療の安全を考えますとまだまだマンパワーも必要です。そこで院内保育所の設置を考えています。女性医師も増えていますし、コメディカルも含めて、病院全体として早急に取り組むべき課題として認識しているところです。




病院理念

思いやりの心
質の高い医療
明るい職場
~医療を通して地域に貢献~


病院概要

名称 社会福祉法人恩賜財団 済生会京都府病院
住所 〒617-0814 京都府長岡京市今里南平尾8番地
電話 075-955-0111(代)
FAX 075-954-8255
建物  
病床数 一般病床、350床
診療科目 内科、小児科、外科、整形外科、脳神経外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、放射線科、精神科、神経科、心臓血管外科、循環器科、麻酔科、呼吸器科、リハビリテーション科
関連施設 社会福祉法人 恩賜財団 済生会支部京都府済生会 訪問看護ステーション
附属施設 長岡京市在宅介護支援センター



アクセス補足

■阪急電車京都線
「長岡天神駅」下車、西出口よりバスまたは徒歩15分

■JR東海道線
「長岡京駅」下車、西出口よりバスまたはタクシー

■阪急バス
JR「長岡京駅」より阪急「長岡天神」経由
美竹台住宅前経由
奥海印寺(循環)済生会回り
奥海印寺(循環)梅ヶ丘回り
各バスで「済生会病院」下車

■タクシー
阪急電車「長岡天神駅」西出口・JR「長岡京駅」西出口ともに、のりばがあります(所要時間3分)

■自家用車
当病院駐車場有り
第1駐車場56台・第2駐車場42台・第3駐車場70台
合計 168台
ピックアップバナー
コンテンツ
  • 黒岩知事インタビュー
  • ホスピタルインフォ
  • ビギナース
  • Re:ナース40
コンサルタントに相談する