宗教法人在日本南プレスビテリアンミッション 淀川キリスト教病院の紹介ページ

HOSPITAL INFO ナース版

vol.38宗教法人在日本南プレスビテリアンミッション 淀川キリスト教病院

病院の特色

院長挨拶

 淀川キリスト教病院は1955年(昭和30年)に米国長老教会の医療宣教師フランク・A・ブラウン初代院長により創立されました。創立の理念は全人医療すなわち<からだとこころとたましいが一体である人間(全人)にキリストの愛をもって仕える医療>でありました。その理念に基づいて、当院は創立から今日まで、周産期医療、ホスピスを始め、ソーシャルワーカーやボランティアの創設など、日本の医療の場でパイオニアとしての働きをしてまいりました。
 現在は医療だけでなく、介護・福祉の分野にもその働きを広げています。その基本は「わたしの兄弟である最も小さい者の一人にしたのはわたしにしてくれたことなのである」(マタイによる福音書25章40節)の聖書の言葉どおり、全ての働きが最も小さい者に向けられています。 今後の淀川キリスト教病院の働きは、このパイオニア精神を生かし、理念である<全人医療>を守り育てることです。さらに、私たちに与えられた使命は全人医療をもって地域の方々にお仕えすると同時に、米国長老教会とともに、アジアの恵まれない人々にお仕えすることです。2012年(平成24年)秋に新病院を開院いたします。全ての職員が良きチームワークを組んで、新病院を目標に患者さんや利用者の御一人御一人にお仕えしていきたいと願っています。

                                               病院長 椋棒 正昌

理念

私たちはキリスト教精神に基づく全人医療をめざしています。
 淀川キリスト教病院の「全人医療」とは「からだとこころとたましいが一体である人間(全人)にキリストの愛をもって仕える医療」です。

各施設のご案内

【淀川キリスト教病院(本院)】
急性期医療を担う病院として救急の受け入れとともに、地域医療機関との連携を推進している。

【分院】
本院とほぼ同等の医療水準を保ちながら、亜急性期医療を行っている。

【レディースホスピタル】
本院との緊密な連携のもと、地域の周産期医療を担っている。

【附属腎クリニック】
腎臓内科と人工透析室があり、内科的腎臓疾患を幅広く診療している。

【附属クリニック】
皮膚科と精神神経科(こころの診療科)の外来を持ち、地域の方々が受診しやすいクリニック、地域医療の向上に努めている。

【健康管理センター(人間ドック)】
早期発見と健康増進を目指して、Check Plan Do Careの新しいスタイルを提供している。フィットネスも持っている。

【老人保健施設】
介護を必要とする高齢者の方の入所と通所支援を行っている。

【ふれあいセンター】
内部に訪問看護ステーションがあり、介護の必要な高齢者は患者さんの在宅療養を支えている。

看護部理念

看護の専門性を高め、癒せる看護を提供する

看護部理念

全人医療に基づいたTender Loving Careの実践

方針

  • ・患者さまにわかりやすく、見通しのつく看護を提供する。
  • ・自尊心を尊重した看護を提供する。
  • ・職業人として、自ら学び成長する。

チーム医療

 患者さんにとってベストなケアを提供するために、組織横断的に協力し合うチーム医療を進めている。看護部には2人の専門看護師、11人の認定看護師など、スペシャリストが多く活躍しており、チーム医療の中心的な役割を担っている。

退院支援

 患者さんの在院日数が短くなる傾向の中、医療ニーズの高い方が自宅に帰られた後も安定した療養生活を送れるように活動している。様々な職種のスタッフが専門的な知識と技術を持ち寄り、きめ細かいサポートを行っている。

教育プログラム

新人教育

 中央では年間10日程度、技術の講習を中心に行っています。その後、部署ごとで細かく計画を立てて研修していきますので、こちらがメインとなりますね。4月の配属段階から「今日の行動計画」を記入するなど、きめ細かい指導をしています。やはり部署で育てていくことは大事ですね。新人であっても、大学、短大、高等看護学校、高校の衛生看護科、通信教育など学歴も様々なので、そのあたりも配慮しています。屋根瓦式に、プリセプターがいて、その上に匠ナース、その上に教育委員、そして責任者がおり、プリセプターに負担がかからないよう、皆で協力しています。

教育プログラムの特徴

 実践能力向上コースが特徴です。2人の専門看護師と11人の認定看護師が専門性の高い講義を行っています。緩和ケアに関しては、専門看護師も認定看護師もいますので、レベルが高く、将来はホスピスに行きたいと希望する看護師が多いですね。一般病棟の看護師も緩和ケアの勉強会に出席していまして、医師にアドバイスをしているスタッフもいます(笑)。やはり専門看護師、認定看護師がいますと、院内全体のレベルアップになりますね。患者さんへのケアが他の病院よりもできているのではないかと自負しています。
 また臨床倫理検討会も活発に行っています。様々な部署からのメンバーがケースを学び、大阪大学の哲学カフェから講師に来ていただいて、アドバイスを頂戴しています。

復職支援

 中途で入職される方の背景は様々ですが、初日は理念など、病院全体の紹介をしています。それから部署に配属する前に、感染、予約の仕方、留置針の挿入の仕方、電子カルテについての研修を行います。4月に入職された場合は新卒のスタッフと同じように1泊の研修にも参加でき、病院の理念やCSについて学んでいただいています。中途の方にもプリセプターがつき、丁寧にフォローしています。

教育にあたって、心がけていること

 新卒の新人であっても成人には変わりないので、それぞれの自尊心を尊重し、人間として尊重しなければならないと思っています。

今後の展開

 1年目から3年目までの研修に関しては特に見直す点はないのですが、中堅看護師のための研修プログラムを充実させたいです。また、2009年からコーチングを取り入れたキャリアアップ研修を始めました。まだ「触り」的ですので、さらに深い学びができる研修にしていきたいと計画しています。

新人看護師育成年間スケジュール

看護師教育プログラム

職場訪問

伝道部(チャプレン室)

わたしたちは、
みなさまがこころの支えを求めておられるとき、
人生の様々な問題をかかえておられるとき、
聖書について知ってみたいと思われるとき、
お祈りを希望しておられるとき、
いつでも喜んでお話しを聞かせていただきます。
またおよび下されば、
よろこんでお部屋にお伺い致します。
ご遠慮なくご連絡ください。

薬剤部

医薬品の適正使用には、個々の患者様に最適な薬剤・剤形・用法・用量の決定と適正な調剤、患者様への十分な説明と正確な使用、使用後の効果や副作用の評価とフィードバックが必要です。薬剤部は、その全てに直接・間接にかかわることにより医薬品の適正使用に寄与するとともに、院内で使用される全ての医薬品の管理を行っています。

臨床検査課

臨床検査は、生理機能検査部門(心電図や超音波検査などのように、身体から直接情報を得る検査)と検体検査部門(血液や尿、便などの検体を採取して、その中の成分を調べる検査)に分類されます。私たちの検査室では、それぞれの部門に配属された技師が、各種の学会や勉強会に積極的に参加し、より迅速で正確な結果を出せるよう日々努力しています。また、緊急検査室では24時間体制で、救急や病院内の緊急検査に対応しています。

放射線課

私たち診療放射線技師は放射線と画像に関するプロとして常に技術と知識の向上に努め、患者様の苦痛を軽減する工夫と努力を行うことをモットーとしています。
放射線課の診断部門では、信頼性の高い正確な診断情報と治療情報を得るため、専門の医療機器を駆使して医師に画像を提供しています。放射線課の治療部門では、放射線を腫瘍や病変部位に照射して行なう、放射線治療を行っています。
また当課では、検診マンモグラフィ撮影認定診療放射線技師、日本放射線技師会認定放射線管理士、放射線機器管理士、臨床実習指導者。日本消化器集団検診学会認定 胃がん検診専門技師などの認定資格を持った技師がより高度な診断に対応しています。

リハビリテーション課

救急診療を行っている総合病院のリハビリテーション課であるため、対象は脳血管障害や骨折などの救急疾患が主体です。また、その他の整形外科疾患、神経疾患、循環・呼吸器疾患、小児の発達障害、手術前後の肺理学療法などと幅広く対応しています。さらに、ホスピスとの関わりももっており、QOL(生活の質)の維持・向上のためのアプローチも行っています。治療の長期化に伴い転院される場合には、必要に応じ転院先への情報提供をいたします。

栄養管理課

私達、栄養管理課は、当院医療理念である「全人医療」を礎に、医療の一環として又看護の一環としてのチーム医療を目標としております。
YCH栄養管理部門は病院部門(臨床栄養士)・健康管理増進センター及びフィットネス部門(産業栄養士)・老人保健施設支援部門等で構成され、健康増進から医療(ホスピスを含む)又福祉へと幅広い栄養管理を目指しております。

視能訓練課

視能訓練士(ORT)は国家資格をもった医療技術者です。眼科で診断、治療に必要な視機能の検査を行います。視機能検査には、視力・視野・眼圧の検査や写真撮影・眼鏡合わせなどがあります。また、斜視や弱視の治療にたずさわったり、低視力者の方に対して補助具の選定、指導もしています。

臨床工学課

臨床工学技士は医師に指示のもとに、生命維持管理装置の操作および保守・点検を行っています。業務を行うに当たっては、医師その他の医療関係者との緊密な連携を図り、適正な医療の確保に努めています。

医療社会事業課

医療社会事業課では患者様の福祉や介護の分野を担当する医療ソーシャルワーカーという職種が働いています。

先輩ナースによるリアルトーク

平石 千佳

八木 ひとみ

新人研修を振り返って、いかがですか。

平石:一通りデモンストレーションがあったあと、実地に入ったのですが、最初はすごい緊張感がありました。でも、先輩がずっと見てくれて、的確なアドバイスをくださったので、安心感がありました。練習も落ち着いてできるようになりました。技術よりも感染などの知識面に力を入れられており、学生のときに分からなかったことも分かるようになりました。良い研修を受けられたお蔭で、今、充実しています。

八木:学生の頃と違って、臨床の場で本格的に働くための技術を学べました。徐々にステップアップしていったので、働いていることをリアルに実感できましたね。習ったことが次の日に現場ででき、スキルとなって仕事に生かされる研修だと思います。

淀川キリスト教病院に入職を決めた理由をお聞かせください。

平石:クリスチャンですので、もともと興味を持っていた病院でした。看護学校で仲の良かった先輩も働いていて、先輩から「看護に力を入れているいい病院で、温かい看護をして、Tender Loving Careの理念を大切にしている」と聞き、入職したいと思うようになりました。

八木:4年生になる前の春休みに、大学の友人に誘われ、インターンシップに参加したことがきっかけです。それまで実習に行っていた病院とは違って、スタッフの雰囲気に惹かれました。アットホームで、温かく、患者さんに対してきちんと向き合っている姿を見て、こういう病院で働きたいんだと思いました。阪急沿線で通いやすいという点も良かったです(笑)。

実際に入職してみて、当初のイメージ通りでしたか。

平石:病院はイメージ通りですが、イメージ通りに働けている自分でありたいと思っています(笑)。患者さんのルートをとるときに、患者さんからじっと見られると、大変だなと感じますが、色々な場面で「ありがとう」と言われると、遣り甲斐が感じられます。

八木:人間関係が良いところなど、イメージ通りですね。患者さんに対してより良い看護をしようというスタッフの中で、私自身もスタッフの一員として馴染めていなかったら、仕事に来るのも億劫になってしまうと思うんです。でも、人間に困ることなく、仕事ができていますので、入職してよかったと実感しています。

現在のお仕事の内容を教えてください。

平石:脳神経外科、婦人科、泌尿器科、形成外科の混合病棟で働いています。チームに分かれており、私はAチームに所属しています。Aチームは脳神経外科以外の患者さんを担当しますので、コミュニケーションの取れる患者さんへの看護が中心です。形成外科では傷の処置もありますし、Aチームでも決まった時間には脳神経外科の患者さんのおむつ交換、口腔ケア、体位変換などを行っています。オペ出しも多いですし、入院患者さんを迎える仕事もあります。

八木:実習のときに消化器科に行くことが多かったので、この病院に入職するときも消化器系を希望して、希望通りに配属されました。消化器内科病棟も2つのチームに分かれています。ADLが自立している患者さんを担当するチームと排泄や食事に介助な必要な患者さんを担当するチームで、私は後者のチームの一員です。ADLが自立している患者さんのチームは検査も多いのですが、介助が必要な患者さんのチームは検査は少ないです。でも、2時間ごとのトイレの確認や車椅子に移乗など、体力的にはきついですね。

病棟の雰囲気はいかがですか。

平石:先輩の中には厳しい人もいらっしゃいますが、理由があって厳しくしてくださっているわけだし、その理由も私ができないところがあるからなんですね。厳しさの中にも優しさを感じますし、頑張ろうと思えます。

八木:せわしなく、ばたばたしていることが多く、残業も少なくありません。患者さんの今後を決めるためのカンファレンス、ご家族の方との面談などで看護記録を書く機会も多いです。先輩方は患者さん第一に考え、皆さん、優しいですね。8月に入って、「独り立ち」したのですが、それでもできないことはフォローしてくださっています。4、5月はできないことだらけでしたが、一つ一つ丁寧に指導してくださり、実習のときとは違うなと思いました。少しずつですが、ステップアップしてきた気がします。

辛いことはどんなことでしょうか。

平石:技術不足、知識不足で失敗して、患者さんに迷惑をかけてしまうことがあったときは辛かったですね。プリセプターは3年目の方なんですが、同じ寮に住んでいるので、そんなときは先輩のお部屋で反省会をしています。慰めてくださることはもちろんですが、今回はどこが悪かったのか、次はどうすべきかなど前向きな話をしてくださいます。

八木:実習で行った病院と患者さんの層が違っていて、生活保護を受けていらっしゃる方からの相談などを初めて受けました。まだ1年目なので、退院調整などの介入は先輩がしているのですが、そのサポートなどは難しいですね。

平石さんは寮に住んでいるんですね。

平石:自転車で5分の場所の寮に住んでいます。広めのワンルームマンションで快適ですね。同期の人もいますし、寮のメンバーとは月に1回、食事会をしています。病棟が違えば、している処置なども違いますし、違う病棟の人と話すのは勉強になります。

今後はどのような看護師を目指されますか。

平石:妹が養護学校に通っており、弟も中学のときから車椅子で生活しています。そのため、そういう子どもたちの看護に興味があるので、将来は重度心身障害者のための施設で働きたいと思っています。まずは、この病院で色々なことにチャレンジさせていただいて、豊富な研修を受けながら、先輩方のように知識を増やしていきたいです。

八木:たまに長く入院される患者さんもいらっしゃいますが、最近は平均在院日数も短く、1日で退院される患者さんも少なくありません。一期一会と言いますが、患者さんとの一つ一つの出会いを大事にしていきたいです。患者さんの人生に関わらせてもらっているのですから、看護師としてというだけでなく、人と人としての関わりの中で看護させていただけたらと思っています。

vol.38宗教法人在日本南プレスビテリアンミッション 淀川キリスト教病院

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