私達ナースです(看護師の声)

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私達ナースです

Vol.4  男性看護師 阪南病院 江藤 真一さん

男性看護師
阪南病院 江藤真一さん

江藤真一さんは1974年生まれで、現在31歳である。宮崎県立高鍋高等学校を卒業後、大阪の大精協看護専門学校で「勤労学生」生活を送る。卒業後は阪南病院に勤務し、現在は精神科急性期病棟でチームリーダーを務めている。また、このほど精神科救急・急性期認定看護師の日本精神科看護技術協会主催の専門分野研修を終え、来年3月の認定に向け論文発表や2次試験の準備を行うという充実した日々を過ごしている。

多くの職業の中で、看護師をやっていこうと決めた動機や、その時期について教えてください。

 高校を卒業するときは漠然と大学に行こうかと思って大学受験をしたんですが、思うようにいかなかったんですね。もともと一度しか大学を受けようとも思っていなかったんで浪人するという選択肢もなく、1年ほど実家にいました。その頃知人の勧めで「働きながら、看護師の資格を取れる学校がある」と教えられました。それで翌年、大精協看護専門学校に進学しました。

江藤さんの1日の勤務の流れをお話し頂けますか?

 松原市に住んでいて、病院までは車で30分の距離です。8時30分に出勤します。
その後、ミーティングや申し送りがあります。9時30分からはチームに分かれてのミーティングです。それから正午までは、患者さんとのコミュニケーションの時間で、一緒に散歩をするなどしています。正午から2時ぐらいまでは、患者さんに昼食を出し、薬を飲んで頂きます。それからお風呂の手伝いなども行います。
2時過ぎからは徐々に入院が決まった患者さんの受け入れをします。急性期病棟ですから、この業務は毎日ありますね。空いた時間は患者さんとの散歩やコミュニケーションにあてています。
夕方5時に日勤終了ですが、残務処理などで6時30分頃の退勤となります。

辞めたいと思ったときはありますか?挫折を感じたときや、そこから立ち直ったときのエピソードなどを聞かせて頂きたいのですが。

 やはり患者さんが亡くなったときは辛いですね。精神科の疾患ですから、患者さんが私たちに文句を言ったり、罵倒したりということも少なからずあります。また幻覚や妄想を持ってしまう患者さんから「給食に毒を入れている」などと言われることもあり、私としては「親身に看護しているのに、そういうことを言われると辛いなあ」と思いますね。しかし患者さんも本心から言っているというより、疾患が言わせているわけなので、気持ちを切り替えています。患者さんの中にも、私たちの気持ちが分かってくれる方も多く「よくやってるよ」と励ましてくださったりします。そうすると「この人たちのためにも頑張ろう」と思って立ち直りますね。

 それから、現在12人のメンバーからなるチームのリーダーをしていますが、看護方針を巡って、スタッフ間で意見が食い違うときも辛いですね。私は強烈なリーダーシップでチームを率いていくというタイプではないので「いいところを探していこう」と、じっくりメンバーの話を聞いて考えています。

阪南病院は大所帯で、医師を始めとする多くの人とのコミュニケーションの維持が難しいと思いますが、どういうことに心がけていらっしゃいますか?

 残念ながらコミュニケーションが十分行われているとは言い難いですね(笑)。患者さんの自立という共通の目標があるのですから、そのためには意見のぶつかり合いはあって当然だと思います。もっとぶつかり合って、意見を出し合うくらいでいいんじゃないでしょうか。その際に大事なのは「相手の意見を先に聞くということ」です。そして誠実な態度を持って、細やかな具体的な行動で示すと、相手からの信頼を得られます。一度信頼して頂けたら、ずっと続いていくものです。「相手のために気を使う」ということは難しいのですが、組織の中では必要なものですよね。

 確かに精神科の病院では、医師、看護師だけでなく、作業療法士やケースワーカーなどコメディカルのスタッフが多いです。それに加えて、急性期病棟では患者さんのご家族と密接なコミュニケーションを取らなくてはいけません。家族の方の不安と疲労を和らげるためのコミュニケーションも重要です。

日々の業務にあたりながら、精神科救急・急性期認定看護師を取得されるまで、あと一歩ですよね。勉強のこつなど、後輩の皆さんに伝えてください。

 私が認定看護師を取得しようと思ったのは、忙しさにかまけて知識を増やす努力をしなくなり、自分に自信が持てなくなっていったからなんですね。阪南病院では教育支援システムが充実しているので、その制度を生かして、昨年10月から今年3月まで休職し、東京の研修施設で初期研修を受けました。
 まず自分が現場でやっていることに「なんで?」という疑問を持つことが大切ではないでしょうか?勉強によって、その「なんで?」が理論と一致し、理論で説明できるようになります。逆に理論を意図的に現場で使うこともできるのです。そういう知識が増えていくことが勉強を楽しめるこつですね。
 それから「よく遊ぶこと」です(笑)。一生懸命遊べば、勉強も一生懸命になるはずです。

では、江藤さんの遊びについて、お聞かせください。

 高校のときから音楽が好きで、今もバンドでベースを弾いています。またスポーツも好きでフットサルのチームにも入っています。音楽にしろスポーツにしろ、一緒にやっている仲間は皆、医療職以外なんですよ。休みの日のほうが忙しいかもしれません(笑)。

少し堅い内容の質問に戻りますが・・行政は社会的入院の解消のために、精神科病床を大幅に削減する方向で動いています。こういった医療政策については、どうお考えですか?

 長い時間がかかったうえで社会的入院となった患者さんがほとんどですので、急ぎすぎないでほしいと思いますね。医療費が増大している現状については理解していますが、早期の退院は患者さんのためになるのかと思います。患者さんのニーズに応えることは結局は国益にもつながります。

 実際、アメリカでは70年代に精神科病棟を解体しましたが、その後、犯罪の増加などにつながったとも聞いています。現在のアメリカでは入院数は減っていますが、地域での受け入れ態勢が整い、在宅ケアが充実していますし、雇用の促進も行われています。

 日本では「ふさいでしまう」文化があり、精神障害者に対して「けがれの思想」から受け入れが難しい状況が長く続きました。地域の皆さんにはフラットになって頂きたいですね。私たちの世代は、そういった負の時代の責任を負いながら、皆が支えるのが当然という環境にしていかなくてはいけないと思います。実際に糖尿病や高血圧の患者さんは皆に支えられていますよね。ところが、精神に障害がある患者さんはそうはいかないのです。疾患を持っている意味では皆同じなのですから、そういう土壌を作りたいですね。

今後のビジョンをお話しください。

 看護師になって10年が経ち、まず一つの節目を迎えたような気がしています。次の10年は、一つずつキャリアを積み上げながら自分らしさを出していきたいです。そのためには自分を客観的に見つめ、自分を深く知らないといけません。患者さんとコミュニケーションを円滑にするためにも、言葉の持つ力を大事にしていくことも必要でしょうね。

阪南病院で働いて、よかったことはどんなことでしょう?そのほか、病院のPRをお願いします。

 信頼できる上司や仲間に出会えたことが本当にいいことでした。そして、教育を受ける機会を頂けたことも有難かったですね。
 こちらは働くにも、患者さんとして入院するにもいい環境です。花が一杯で、春には桜も咲き、本当に気持ちが安らぎますね。私たちの知らないところで、そういうことにも病院が頑張っているのでしょうね(笑)。
 9月からは大阪府下の精神科救急医療体制の整備の中で拠点病院としての機能を果たすことになる。それで看護師も業務に追われることが予想されます。府下の精神科病院がネットワーク化されると、短期間で協力病院へ移る患者さんも出てきます。そこではやはり看護師の役割は重要となります。信頼できる医療の提供のためにも、一緒に働いてくれる看護師が増えるといいですね。

最後の質問です。生まれ変わっても、看護師という職業に就きたいですか?

次は別のことがやってみたいですね。例えば、美容師とか(笑)。
田舎に住んで、作詞や作曲をして、音楽を作るという人生もいいかもしれません(笑)。

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