私達ナースです(看護師の声)

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Vol.6  機能評価機構サーベイヤー(審査員)の看護師 下川 和子さん(仮名)

機能評価機構サーベイヤー(審査員)の看護師
下川和子さん (仮名)

看護部長の経験をいかして日本医療機能評価機構の審査委員(サーベイヤー)の仕事で全国各地へ飛び回る毎日。
そんな方にインタビューしました。

機能評価のサーベイヤになるきっかけを教えていただけますか?

 私が看護師になって初めて勤務した病院の看護部長だったひとが、とても傲慢な人でした。自分のミスを下の人の責任にしたり、他の看護師への対応とかひどかったです。私はどうしても納得できず、自分がもし看護部長になっても絶対にあんな人にはならなと心にきめていました。そんな思いをずっと抱いたまま、おかげさまで今の病院で看護部長になれることができました。何年かたって今度は看護部長職の経験をいかし何か役にたてることはないか考え始めました。そんなある日院長が機能評価を取りたいと言い出しまして、そしていろいろ調べているうちに、サーベイヤーというものを知りました。そのころは病院の機能評価が始まったばかりの頃でよくわかっていませんでしたが、病院の人から「応募しますか」と聞かれ、「どういう要件ですか」と聞くと、必要な条件を教えてくれました。そうすると皆当てはまりました。それで目入ったのが、今の所なんですよ。5年前になることが出来ました。当時看護部長職のサーベイヤーは全国で100人いなかったんです。いまでは300人を越えています。

実際に機能評価で全国を回られている中でどういう病院が良いと感じますか?

 玄関に入った瞬間に大体どういった感じかわかります。あとトイレをみたりするとね。その2箇所がいい病院は大体、大きな問題はないですよ。そして看護師が生き生きしてますね。みんな。看護師の仕事って雑用が多いんですが、看護の仕事をまっとうしています。

雑用とは具体的にはどういう業務ですか?

 事務の仕事を看護師がやっているというか、事務の仕事をしやすくするように看護師が手伝っているとか。あとは分業がきっちり出来ていない所はそういった雑用が多いですね。

看護師にとって悪いなと思える病院はありますか?

 看護師が医者の付属品だと思ってる所は最悪ですね。例えば外来看護師がロボットのように医者に使われている所とか。

そういう所はやはり看護師は辞めていくのですか?

 辞めていきますよ。看護師は辞めていくし、看護本来の仕事はできないし。病院はなぜ辞めていくのかを分析しないと悪循環からは抜けられないと思います。離職率も20%-30%を超えるような病院は回転率は高いですね。

機能評価って病院の評価っていうことじゃないですか。同じ側の人間が審査するというのは甘くならないですか。

 なりませんよ。ならないように心がけています。だって失礼じゃないですか。相手はお金を出して大変な苦労をして評価を依頼してくるわけだから、こちらも厳しくしないと失礼じゃないですか?いいものはいい。悪いものは悪いで、はっきりと審査しますよ。

サーベイヤーになれる人っていうのは看護部長さんだけなんですか?

 なれる条件は看護部長職でも5年以上経験のある人です。院長職も事務長職も同じです。あとは薬剤師が中に入っていることがあるし、検査技師も。でもほとんどが、看護と部長です。

病院が申し込みをしてたら、評価にくるまで結構時間はかかるのですか?

 今は依頼が多くて、申し込んでから審査まで1年以上はかかります。その間にバージョンが変わることもありますがその時は申し込んだ時のバージョンで対応します。でもたまに予定が変わることもあります。この前の病院は、一年待ちだと思ってゆっくりかまえていて、とりあえず今から申し込んでおいて半年後位から準備にかかればいいとと思っていたらしいです。そしたら、たまたま3ヵ月後に実施できることになったんです。だからその病院は、びっくりして、でも申し込んだからにはやめるわけにはいかないから、3ヵ月後に実施したんです。そしたら、準備不足でもうめちゃめちゃでした。その病院の人は言ってましたよ。「もう泣きたかったって。」何日も徹夜をしたみたいですよ。結局全部評価aではなかったですが、数箇所の改善だけで済み認定を受けました。

是か非かをきめるのって基準はなんですか?

 マニュアルを作ってもらうのですが、そのものの質を問うんです。そのものの質がどうかって言うのを、見ます。感覚的にきめるのではないですよ。中身がどうなのかが問題なんですよ。その中身を見るには、根気がいるわけですよ。こういうことだから、これはいい。こういうことだからこれはだめ。現場と連動しなきゃいけないから、それを現場に持って行って、それをちゃんとできるかどうかが問題なんです。機能評価とってもがんばり続けないと元に戻ってしまうんですよ。戻さないように維持しなければならないんです。それを継続しないと意味がないんです。
機能評価をとったからといっていい病院であるというわけではなくて、機能評価を受けた状態を維持しているのがいい病院です。

全国をまわられてて、思い出話っていうのはないですか?例えば、土地土地の思い出でいいですよ。

 審査に行ったら、とんぼ返りで帰ってくるんですよ。だって自分の業務があるんで。だから、行っても観光したことなんか全然無い。ホテルに温泉があれば、ちょこんと入ってくるだけですよ。ひどいときにはもう夕食が9時半とか10時とか、くたくたで眠くなります。だから、病院の思い出しかないんです。

今と20年前の看護師さんの違いを教えてください。

 私が看護部長に成り立ての頃は、看護師・准看護師共にそれなりに自分の色んな考え方を持っていました。今の若い人たちは必ずしも悪くは無いんですけれど、ばらつきがありますね。それは激しくなってきていますね。学校がたくさん出来て今まで正看の学校に行けなかった人たちが入れるようになって看護師層に幅が出てきますから。国の政策でしょうから仕方が無いと思います。

看護とは何だと思いますか?

 看護は心ですよ。心のある人っていうのはどんどん伸びるもんなんです。人の心を聞くことは大事ですよ。看護の真髄は心だと私は思っております。でも実際は、常勤の看護師さんは心と向き合っていられないくらい忙しいし、特に新人の子だと何がなんだかわからないんじゃないかな。自分に技術的に余裕が出てきて初めてそういうのがわかるんじゃないかな。

看護師にとって転職は是か非か?

 一自分の夢をかなえる為や自分の夢を良くするためには良いと思います。新卒の看護師はすべきだと思う。でもそれは自分がどういう看護師になりたいかっていう思いがある事が条件とは思うけど。だから、今勤務している所が自分のスキルを伸ばしてくれる所であれば、ずっといたほうがいいけど、合わなければ考えたほうがいいと思う。ですから転職が是か非かは何ともいえない。ただ同じ横並びの転職はしないほうがいい。自分が転職することで、何かが得られるとか何かが変われるならそれはすべきだと思う。

素朴な質問なのですが、看護師さんと医師の結婚って多いですか?また結婚後は看護師を辞めて家庭に入るケースが多いのですか?

 はいいますよ。ただ医師と結婚して退職する人もいれば、医者と結婚しても自分の人生だからといって勤務する人もいますよ。

看護師は患者の健康管理も仕事ですが、ご自身の健康管理に気をつけていらっしゃるんですか?

 特にないですね。でも人には、「結構このぐらいじゃ死なないわよ」なんていってるかもしれないけど、逆に自分が病気になったら大騒ぎする下手に知識が豊富だから。(笑)しいていうなら、ちょっと悪い所って頭くらいかな(笑)もうちょっと頭がよければ、あたし違う人生を歩んでいただろうなぁ。私も、主人が亡くならなければ医学部に入っていたと思う。でも結局子供2人面倒みなければならなかったので・・・。

人生の夢みたいなものって。

 私の場合は、人生観(=看護観)て言うのは、よくいきるすなわちよく決めることなんですよ。

今よくいきるって言うことをやっていますか?

 私は、大学院を受験するつもりなんですよ。私の年齢で、これだけ勉強してる人って少ないと思うんですが、看護師だけで終わったなら、これまたダメなんですよ。そうですね。やっぱり皆いうんですけど、女の子がここまでやるっていうのは普通やらないと。でもそれが私の考え方だと思うんです。よくいきる。その為には、やっぱり妥協はダメだと思うの。自分の努力で進むっていう。このぐらいでいいだろうっていう妥協は絶対後悔する。

 だから私はまずは大学院に行かないとよくいきられるかどうかわからないんですよ。大学院を卒業したら私はもうどこへ行ってもかまわないんですよ。沖縄の方とか離島でもどこでもいいと思ってるんですよ。別に管理職ではなくてもいい現場を重要視したいと考えています。で、皆に言いたいことは、現場でしっかりと現場をできるヒトって言うのはいい管理者になれるんですよ。それに仕事も勉強も子育ても、自分で思う存分やるのが一番だと思います。だから私の子供には全財産をかけてもいいと思っています。

生まれ変わっても看護師になりますか?

 なります!×3 看護師は3日やったらやめられません。たとえ0からでも。面白いじゃないですか。だって看護師にとって患者が先生なんですよ。あれほどね、色んなものに会うのも皆、教えてくれないじゃないですか。
 社会的背景とか、一つの出会いが大事なんです。いい人に出会えばいい人生が開けてくる。出会いを大事にしなくちゃならないと思うんです。その出会いがいろいろなものを自分自身を作り上げていく。
 いま、私はサーベイヤーをやっていますがもし私が転職しないで一つのところで、ずっとおさまってたら、現在の自分はここにいなかったと思います。

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