「財団法人 船員保険会 横浜船員保険病院」紹介ページ

HOSPITAL INFO ナース版

vol.49

財団法人 船員保険会 横浜船員保険病院

URL
http://www.sempos.or.jp/yokohama/
住所
〒240-8585
神奈川県横浜市保土ヶ谷区釜台町43番1号
TEL
045-331-1251
  • 病院の特色
  • 看護部理念
  • 教育プログラム
  • 看護部長からのメッセージ
  • 職場訪問
  • 先輩ナースによるリアルトーク

病院の特色

院長のご挨拶

 戦後間もない昭和20年代、世間では多くの日本人が結核の猛威に晒されていました。船員さんもその例外ではありませんでした。1955年に当病院が海から遠いこの緑豊かな小高い丘の上に建てられたのは結核の治療に適した環境だったからでした。その後、結核は消滅はしないものの激減したため、1974年に病院は全面改修され、総合病院として生まれ変わり、一般の方々に開放されて現在に至っています。
 日本には世界に冠たる国民皆保険制度があります。しかし、急速な高齢化社会と少子化はこの制度を根幹から揺るがす財政的破綻を招きつつあるとも言われています。後期高齢者医療制度(長寿医療制度)はその苦肉の解決策の一つかもしれません。診療報酬の改定も病院経営を改善するほどにはなっていません。そのような厳しいな医療環境の中にあっても、我々横浜船員保険病院スタッフの「ヤル気」は削がれません。それぞれの持場で創意工夫をし、交通の便が悪いにも拘わらず、わざわざ診察を受けにいらしてくださる患者さんとご家族の方々に少しでも安心で安全な医療を提供したいと考えています。
 しかし、病院だけでは満足のいく医療が達成されるわけではなく、日頃皆さんが受診されている地域の先生方との連携、つまり病診連携があってはじめて肌理の細かい医療がお届けできるのです。
 医療が加速度的に高度先進化している現代においても、最も大切なのは「ヒト」であり、「心」です。横浜船員保険病院に来て良かったと思っていただける、心の通った安心で安全な、しかも高度な医療を提供することが職員一同の願いであり、目標でもあります。                                             院長 遠山愼一

病院理念

  • 私たちは患者さんのために奉仕します。
  • 私たちは信頼される医療を提供します。
  • 私たちは自己研鑽に努めます。

基本方針

  • 1.患者さんの権利と尊厳を守ります。
  • 2.医療の安全を推進します。
  • 3.地域医療連携を推進します。
  • 4.救急医療を遂行します。
  • 5.医療に関わる人材教育に力を注ぎます。
  • 6.臨床治験に積極的に参加します。

横浜船員保険病院

 横浜市の小高い丘の上の緑豊かな自然に恵まれた場所に位置し、財団法人船員保険会が運営を行っている。1955年に旧厚生省によって開設された当初は船員保険被保険者の福祉の増進を図ることが目的であったが、現在は一般市民にも利用され、親しまれている病院である。内科、精神科、神経内科、小児科、外科、整形外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科口腔外科、麻酔科、健康管理科、人工透析科を標榜し、260床の病床数を持つ。また付設機関として、洋上の船内で傷病が発生したとき、無線によって医療助言を行う無線医療センターを有している。横浜市の二次救急指定病院として救急医療に貢献し、他医療機関との連携も活発に行っている。

地域医療連絡室

 地域医療機関からの紹介で来院した患者さんの受付を円滑に行い、地域医療機関と連携した良質な医療を患者さんに提供している。

医療福祉相談室

 入院や通院に伴っておこる患者さんの様々な相談に、社会福祉の立場から相談援助業務を行っている。

在宅ケア支援室

 訪問看護ステーションとの連携を図り、在宅での介護を必要とする患者さん、ご家族が退院後も安定した療養生活が過ごせるように支援している。

せんぽ横浜訪問看護ステーション

 併設の訪問看護ステーションでは、在宅で健康上の問題を抱えながら生活している患者さんに主治医と連絡を取りながら、定期的に訪問看護師が訪問し、看護、介護の支援を行っている。

看護部理念

看護部理念

温もりのある心を育み、病む人の傍らに添い、共に歩みます。

看護部の方針

  • 1.患者様の人権とQOLを尊重し、患者様中心の看護を行います。
  • 2.職員ひとり一人が自己の臨床実践能力を高め、質の高い看護サービスを提供します。
  • 3.患者様に選ばれる病院づくりに努めます。

教育プログラム

新人研修

 2010年に厚労省のガイドラインをベースに見直しを行いました。以前からCDP(キャリアディベロップメントプログラム)の考え方自体はあったのですが、方針をぶれさせることなく、ガイドラインに沿って、より系統立ったものへと改善しました。CDPと実際のプログラムの繋がりが見えにくかった問題がありましたので、その点を踏まえ、新人をどう支えるのか、当院に多い中堅層をどう育てるのかという観点を大事にしています。
 4月1日付けで採用したスタッフは新卒者も既卒者も入職時の合同プログラムがあります。当院は新卒者よりも既卒者の割合が高く、ブランクのある人、急性期病院が初めての人もいますが、このプログラムは好評をいただいています。

合同プログラム

 入職時の6日間のプログラムで、同期との仲間意識が生まれることがとても良い効果を得ています。既卒者の中にはベテランもいますが、新卒者にとっても既卒者であっても“同期”なんですね。研修後に各部署に配置されるとサポートナースの支援を受けることになりますが、お互いに慣れるまでには多少の時間もかかることから、他部署でも同期がいることが心強いという言葉を良く耳にします。既卒者は「これはできるでしょう」と即戦力を期待してしまうこともあるのですが、まずは環境に慣れることを大切に丁寧に教育しています。最後の2日間では関連部署の研修があります。また、新卒・既卒問わず各部署配置後に関連部署の研修があります。例えば外科病棟に配属が決まっているのであれば、外来や手術室など、関連の深い部署に半日を1単位として計2単位行います。新卒者は4月のうちに夜勤のシャドー研修も行います。

リフレッシュ研修

 「~してくれない」と言うだけの「くれない族」になってもらっては困ります。免許職種である以上、専門職として意思表示をきちんと行い、職場のコミュニケーションを円滑に進めないといけません。そこで、当院では入職後3カ月の段階で「コミュニケーション」をテーマとしたリフレッシュ研修を行っています。2011年度はナビオス横浜に日本ケアカウンセリング研究所の講師をお招きして、「集団の意思決定」について学ぶ機会を設けました。その講師の方は、4月の研修でもお世話になっており、7月にまた研修を受けられることを楽しみにしていたスタッフも多かったんですよ。3カ月経って、疲れもピークになった頃でしょうし、タイミングとしてもいい時期だと思います。一番人気の研修ですね。

サポートナース制度

 新人のサポート体制については以前はプリセプターシップを導入していました。しかし従来の方法ではプリセプターへの負担が大きく見直す必要性を感じていました。そこで当院では杏林大学医学部付属病院の「アプリコットナースシステム」を参考にしながら、2010年にサポートナース制度を開始しました。これは「新人は皆で育てよう」という基本的な考え方に基づいたものです。最長サポート期間は新卒者が1年、既卒者は6カ月となっています。従来のプリセプターシップのように、一人の新人に一人のサポートナースがつきますが、サポートナースだけに負担が及ばないように、師長・主任をはじめ全スタッフの役割を明確にしています。2年度のスタッフでも新人にとっては“先輩”ですから、何かしらの役割はあると思います。ですから、全員が定期的に自己評価できるようチェックリストを使っています。この制度を導入して2年目ですが、教育委員や臨床指導者の協力もあって「皆で育てる」という意識や雰囲気が昨年度よりも浸透してきているような気がします。それでも新しいことを全体に浸透させるには時間が必要ですね。

チェックリスト

 ブランクが長かった人やひとつの診療科でずっと長くやってきた人は、職場環境が変わると未経験なこともたくさんあると思います。そのため、当院では新卒・既卒問わず採用者全員にチェックリストを活用しています。役割と業務内容を明確にしたうえで、13項目からなるリストの評価を受けます。評価表は前期、中期、後期に分けています。目標が付いているからでしょうか、昨年度よりもイメージができるようになってきましたね。学校で使っていた枠組みを活かしながら、評価が途切れないように育てていきたいと思っています。

「JIBUN☆キャリア」

 神奈川県看護協会が作成した生涯学習記録をもとに一部当院のオリジナルシートを加えて活用しています。全看護職員に配布しており、内容としては中長期目標や当該年度の目標、研修受講歴・学会参加歴・面接記録などを入れています。院内では人事評価制度もありますので、スタッフが上司と面接をする際にも活用しています。師長は多くのスタッフを抱えていますから、スタッフ個々の目標や興味や関心を知ったうえで、支援して欲しいと思っています。

相談窓口

 私は看護部の一部のスタッフから「おふくさま」と呼ばれているそうです(笑)。先輩看護師が後輩に「悩みがあるなら、おふくさまのところに行ったら」と声をかけているようで、職場の対人関係などの悩み相談に乗っています。学会の前には原稿を見てあげることもありますね。私の部屋に来ることを師長は知っているのか、師長が知らないなら言わないでおくのか、私に話す前に師長への報告に値することなのではないかなどに気を配っています。

今後の展開

 中堅からベテラン層が厚いのでCDPにある4つの能力のうち、臨床実践能力は高いほうだと思っていますが、教育・研究能力やマネジメント能力をもう少しつけられるような支援を考えていきたいと思っています。具体的には教育委員会を通じて提案していきたいと思っています。現在当院には認定看護師が3名いますが、将来認定看護師を目指したいというスタッフも数名います。一方で子育て世代も多いことから、「今しばらくは子育てを大切にしたい」というスタッフもいます。スタッフの教育へのニーズがどこにあるのかを確認しながら取り組んでいきたいと考えています。

看護部長からのメッセージ

看護師を目指したきっかけ

 祖母が病気がちであったことが大きいですね。中学生のとき、祖母を見舞いながら、看護を勉強したいなと思うようになっていきました。ちょうど神奈川県立衛生短期大学の付属二俣川高校ができたばかりでしたので、私は3期生として入学しました。

看護師を続けてきた理由

 看護師になって7~8年経ちますと、色々な役割を果たさなくてはいけなくなり、このまま、こういう役割で良いのかなと思ったり、辞めたいという気持ちになったりもしました。しかし、神奈川県立看護教育大学校のICU・CCUのコースで学ぶ機会があり、自分の看護を見つめ直すことができました。看護教育大学校は看護師の卒後専門教育を行う機関で、病院から派遣されて行ったのですが、同じような悩みを抱えていた人たちとも出会い、辞めたいと思っていた気持ちが吹っ切れましたね。私は心臓外科が長かったのですが、心臓外科での看護の知識や技術の裏付けができましたし、職場を離れて勉強できたのは本当に有り難かったです。

自身の看護観

 患者さんを自分の家族が病気になった時のように看護し、安心して受診や入院出来るような病院や看護部でありたいと思っています。それには感受性を育てることが大事です。患者さんからの言葉のみならず、言葉以外からのサインを読み取らないといけません。感受性を育てるには本を読むなど、看護以外の知識を得るようにするといいですね。私は推理小説が大好きですし、そのほかにも様々なジャンルの本を読んでいます。また、お芝居や映画で自分の人生以外の人生を垣間見て、こんな世界や考え方もあるのだと、知識の幅を広げる努力をしています。

横浜船員保険病院の教育の特徴

 当院の新人は5、6人程度と多くはありませんので、マンツーマンであるプリセプターシップは負担が大きいです。そこでプリセプターの負担を軽減するために、サポートナース制度を始めて、2年目になりました。実習生に関しても、窓口のスタッフだけでなく、スタッフ皆が関わるようにしています。そういう関わりの中で院内で教育できるものと院外でしか教育できないものを選択しながら、CDPを積み上げていけるような教育を目指しています。以前のプリセプターシップの頃と比べますと、皆で新人を育てる気持ちが根付いてきたようですね。多くの場面で情報交換をして、情報を共有できる職場作りをしています。

福利厚生

 国家公務員に準じた待遇が保障されていますので、安心して働ける職場です。年休の消化率も6割を超えていますし、公休も月内で消化できています。もう少し、看護部の人数が増えたら、夜勤の体制を厚くしたいと考えています。2012年度に向けて、10数床を増床しますので、看護師を増やすことは急務です。
 院内保育所も日曜日を除き、24時間稼働しています。多いときには7人ぐらいの子どもさんが泊まっていますよ。負担も、病棟看護師ですと月に約1万円、看護師以外のスタッフでも月に約35000円と大変リーズナブルです。1年程の育児休暇を取って復帰するスタッフが大半で、転居のために退職する人はいても、出産そのもので辞めるスタッフはほとんどいないですね。
 車での通勤も認められています。都会でこれだけの駐車場スペースがあるという病院は少なく、恵まれていますね。保育園に通うお子さんがいるスタッフは車通勤が便利みたいですし、横浜新道が近く、アクセスは良好ですよ。寮に住んでいる人も車を持っている人が多く、駐車場も月に5000円で置くことができます。
 看護部の平均年齢は38歳で、平均して7年の在職期間となっていますので、定着率は高いですね。良い看護のためには、看護師自身の生活も大切です。スタッフが公私ともに充実できるように支援していきたいと思っています。

今後の展望

 高齢の患者さんが多いために、療養型に変更する病院もありますが、当院は二次救急を扱う急性期病院として、幅広く地域の方の健康管理を行い、当院で治療後は地域に戻すという、一貫した医療を行っていきます。当院は救急車も多く、年間1700人程の搬送患者さんを受け入れていますし、毎日4、5人は緊急入院もあります。緊急入院うけいれの体制や施設の整備も急務です。看護部としても急性期医療での看護をさらに深めていきたいですね。優れた技術を持っている看護師も多いので、活躍の場や活動の分野を拡大し、やりがいのある職場にしたいですね。

看護師として働く方へのメッセージ

 高齢の患者さんが多くなっていますので、感性を高め、きちんとしたコミュニケーションを取って、患者さんから信頼を得る努力をしてください。看護師本人が健康でないと、患者さんに良い笑顔ができませんから、自分自身のメンタルケアや健康管理は大切です。そのためには病院も支援しますし、環境の整備も行います。
 当院には認定看護師として皮膚・排泄ケア、がん性疼痛看護、緩和ケアの分野のベテランがいます。今後は高齢者へのケアのため、認知症看護、摂食・嚥下障害看護、糖尿病看護といった分野の認定看護師を誕生させたいですし、病院としても、進学支援制度が整備されています。患者さんの自己ケアを支援するためのストーマ外来や糖尿病のフットケア外来など、看護師の活躍の場が増えています。是非、自己研鑽を積んでほしいですね。

職場訪問

フロア案内

4階 《病棟》 面会ホール
<東>内科(循環器・腎臓)、整形外科、ナースステーション
<西>内科(呼吸器・膠原病)、皮膚科、ナースステーション
3階 《病棟》 面会ホール、面談室、整形外科、泌尿器科、眼科、リハビリテーション科、歯科口腔外科
<東>ナースステーション
<西>ナースステーション
2階 《病棟》 面会ホール、面談室、整形外科、泌尿器科、眼科、リハビリテーション科、歯科口腔外科
<東>外科、耳鼻咽喉科、歯科口腔外科、婦人科、人間ドック、ナースステーション
<西>内科(消化器)、ナースステーション
《診療棟》 庶務課、会計課、コンピューター室、当直室、講堂、会議室、副院長室、部長室、事務局長室、応接室、院長室、医局、医療情報システム課、診療情報管理課、図書室、名誉院長室、休憩室、仮眠室、副看護部長室、看護部長室
《診療棟》 言語聴覚室、機能訓練室、作業室、健康管理科、理学療法室、日常生活訓練室
1階 《診療棟》 外来・入院窓口(受付・会計)、医事課、地域医療連絡室、医療福祉相談室、薬局
守衛室、売店、保健指導室、救急患者治療室、栄養相談室、救急検査室、病理検査室
細菌検査室、脳波・筋電図室、尿検査室、腹部超音波室、肺機能室、心電図室、心臓超音波室、中央採血室、中央材料室、高圧滅菌室、手術室、X線テレビ室、CT室
一般撮影室、内視鏡室、心カテ室
<外来>小児科、整形外科、歯科口腔外科、産婦人科、外科、眼科、皮膚科
《訓練棟》 <外来>消化器病センター、内科、泌尿器科、耳鼻咽喉科、人工透析室
B1 《診療棟》 MRI室、職員食堂、厨房、クリーニング室、機械室

地域医療連絡室

地域医療機関からの紹介でご来院された患者さんの受付を円滑に行い、地域医療機関と連携した良質な医療を患者さんにご提供致します。

医療福祉相談

入院や通院にともなって起こる患者さんのさまざまなご相談(経済的・介護・生活全般)に、社会福祉の立場から相談援助業務を行っております。

在宅ケア支援

訪問介護ステーションとの連携を図り、在宅での介護を必要とする患者さん及びそのご家族が、退院後も安定した療養生活が過ごせるように支援しております。

せんぽ横浜訪問看護ステーション

併設の訪問看護ステーションでは、在宅で健康上の問題を抱えながら生活している患者さんに、主治医と連絡をとりながら、定期的に訪問看護師が訪問し、看護・介護の支援を行っております。

先輩ナースによるリアルトーク

横浜船員保険病院に入職を決めた理由をお聞かせください。

北尾:以前は療養病棟に勤めていて、様子観察が仕事の中心でしたので、もっと患者さんに対してアクションを起こせるような職場に変わりたいと思い、横浜船員保険病院に入職を希望しました。急性期病棟に勤務するのは久しぶりで不安もあったのですが、安城部長と面談したときに「勉強会が頻繁にあるから大丈夫」と伺い、安心しました。病棟の雰囲気が開放的な点も良かったし、何よりも寮が魅力的でした(笑)。病院の前にバス停があって、すぐに横浜駅に出られるのはいいですね。

下元:小学生の子どもがいるので、24時間の院内保育所が有り難いと思いました。院内保育所は就学前の子ども専用のところも多いのですが、横浜船員保険病院では小学生も利用可能なんですね。小学校までの道ですとか、生活環境も整っていますし、子どもが夜に歩いても不安があまりありません。病院としての歴史のあるところや看護師の平均年齢が高めで、様々な経験をしてきた人が集まっているところも良かったです。

実際に入職してみて、当初のイメージ通りでしたか。

北尾:実際に入職してみると、勉強会が多いことは実感しますね。ほかの科の勉強会の案内も病棟に届きますので、色々と出席していますし、特に「オレンジの会」の活動での緩和ケアの勉強は役に立っています。中途で入ったので、パソコンの知識なども不安でしたが、誰に聞いても丁寧に落ち着いて教えてもらえました。カンファレンスの雰囲気も良くて、患者さんのことを皆ですぐに話し合えるんですね。問題が起きたときのアクションも早いですし、仕事面も人間関係の面からも働きやすい病院です。

下元:家庭での心配事があると仕事に出てしまうと思うのですが、仕事で遅くなっても子どもを見てもらえている安心感があるので、きちんと仕事ができています。子どもも伸び伸びと過ごせているようです。

新人研修を受けてみての感想をお願いします。

北尾:安城部長が常に「大丈夫よ」と声をかけてくださったり、スタッフの指示が的確ですので、安心して取り組めました。10年の経験があったにもかかわらず、プリセプターをつけてもらえ、プリセプターには大変よくしていただきました。病院ではなく、院外・お店などで悩みを聞いてもらったりしましたよ。

下元:新人研修は2週間あり、病棟の先輩看護師と接点ができますので、実際に病棟に行ったときに顔見知りの人がいるのは心強かったですね。病棟内も「質問受けるよ」という雰囲気で、動きながらオリエンテーションが続いていた感じです。循環器内科では心臓カテーテルを活発に行っているので、理解していないと動いていくことができません。そのため、自分が入りたいときにいつでも入っていいことになっていますので、ずっと見学させていただき、送り出しの準備、点滴のルートの長さ、落とす速度など、細かいところまで教えてもらいました。根拠が分かってくれば、あとで想像しやすくなるんですね。

現在のお仕事の内容を教えてください。

北尾:呼吸器内科病棟では前日に受け持ち患者さんを決めておきますので、早く出勤してきた人が情報収集をスムーズに開始することができます。そこから申し送りをして、その日のメンバー全員で病室に行き、自分の受け持ち患者さん以外の患者さんにも挨拶します。 チーム内で患者さんの状態や重症度を見ながら、その日の第一選択であるメインとフォローを決めて、仕事をきちんと分担しています。
 人工呼吸器を付けた患者さんも少なくなく、命の危険を伴いますし、誤嚥性肺炎や認知症の方もいらっしゃいます。患者さんの層は厚いですが、痰の取り方ひとつとっても管理方法で状態が変わってしまうので注意しなくてはいけません。認知症の患者さんに張り詰めた様子で接すれば、患者さんは怖がってしまいますし、メリハリが必要だと痛感しています。

下元:循環器内科病棟では受け持ち患者さんは3人から6人、入院患者さんは1人を担当します。受け持ち患者さんの情報を取り、申し送りをしたり、リーダーと情報交換をします。あとはおむつ交換、清拭などのケアですね。週に2回は心臓カテーテルがあるので、点滴準備、着替えなどの前処置もあります。心臓カテーテルの検査日の前日は入院の患者さんも多いですし、緊急入院が加わると忙しくなります。

病棟の雰囲気はいかがですか。

北尾:20代の看護師より経験豊富な看護師の方が多いですね。皆で協力して早く帰ろうという雰囲気があります。緊急入院がありますし、残業はゼロではありませんが、休み時間などは皆で笑い合って、気持ちを切り替えて仕事に臨める職場です。

下元:張り詰めたところもありますし、忙しいです。最初はどのタイミングで先輩についていくのか難しかったですね。急変も結構ありますが、学びの多い職場です。入職してまだ3カ月ですので、緊張感ばかりですが、多くの検査を見ることができて勉強になっています。

辛いことはどんなことでしょうか。

北尾:病院が地域密着の姿勢を打ち出していますので、地域の方から夕方に連絡が入り、すぐに入院になることもあります。そういう忙しさをいつも感じていますが、辛いことはお互い様ですので、頑張っています。

下元:看護師になる前は議事録などを電子化する仕事をしていたので、人相手といった職業ではなかったんですね。看護師は伝達しながらする仕事ですので、難しいと思いました。緊張するタイプですし、五月病にもなってしまいました。そこで主任や師長といった先輩に自分の思いを泣きながら吐露しました。これまで感情を出すことはほとんどなかったのですが、温かいサポートをいただいて嬉しかったです。

教育については、いかがでしょう。

北尾:病棟ごとに教育委員が配置されています。呼吸器内科病棟では新人だけでなく、呼吸器内科が初めての看護師も対象に、血液ガス、トロッカー、人工呼吸器などの勉強会を開催しています。医師に講義をお願いすることもありますが、「何が知りたいの」とニーズを聞いてくれたり、親しみやすい先生方ばかりですね。委員会も活発で、私はICTリンクナースに入っています。まだ知識がないので、うまく病棟で広めていくことが難しいです。何かいい手立てはないかなと思っています。

下元:循環器内科の医師も心臓リハビリテーションに情熱的に取り組んでいて、「いつでも質問していいよ」と言ってくださいますし、教育機会が豊富な病院ですね。心臓リハビリテーションには興味があるので、勉強会にも積極的に出席しています。再度カテーテルを受ける状態にならないように、予防の観点から患者さんの生活をどう改善すればいいのかという視点を持つことの大切さを教えられています。

寮生活はいかがですか。

下元:家族寮に入っています。間取りは3DKですが、昔のサイズの広めの畳ですので、広く感じます。道路が狭いところもあるので、車は怖いのですが、それを除けば子育てするものとしては安心です。子育て世代が多いのもいいですね。お安いところも有り難いです。

休みの日の過ごし方について、お聞かせください。

北尾:半分は寝ていますね(笑)。横浜駅にはバスで一本で出られますし、横浜駅近くの書店に本や資料を探しに行ったり、横浜駅からお台場や新宿には30分以内で行けますので、買い物に行ったりしています。運動不足解消のために、相鉄の上星川駅まで散歩することもあります。上星川駅周辺も銭湯があったりして、楽しいですよ。

下元:宮崎の看護学校で一緒だった友人の多くが関東で就職しているので、都内で集合して遊ぶことが多いですね。「山手線一駅ずつ美味しいお店を探していこう」という企画の最中です(笑)。先日はバスツアーで岐阜県の中津川まで行き、古民家などを見てきました。

今後はどのような看護師を目指されますか。

北尾:訪問看護に興味があるので、肺がん患者さんの「オレンジの会」でターミナルの心のケアや痛みのコントロールを学び、患者さんがいかに自分らしく過ごせるかを考えています。叔母が養護教諭なので、私も学校教育に関心があり、資格も取ったのですが、看護師は技術が身に付くところが楽しいですし、今は看護師の仕事を続けていきたいと思っています。

下元:私も将来は在宅看護を希望しています。病院と隔離されず、ご家庭の生活の中で患者さんのそばに寄り添い、ご家族の支えになりたいですね。そのためにも急性期病院で対応などを学んでいきたいです。

横浜船員保険病院に入職を考えている看護師さんにメッセージをお願いします。

北尾:中途採用の場合は「経験あるでしょう」と言って、放っておかれる病院もあるそうですが、横浜船員保険病院は全くそんなことはなく、サポーターもつけてくれますし、サポーター以外の皆が育ててくれます。ブランクがあっても、リスタートしやすい病院だと思いますよ。皆が協力し合って仕事ができる、いい病院です。

下元:私のように小さい子どもがいる人も、介護をされている人も、色々な人たちが生活と仕事の両方を大切にしながら働いている病院です。共感的なスタッフが揃っていますし、社会人経験のある方にもお勧めですね。

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