「特定医療法人社団 聖美会 多摩中央病院」紹介ページ

HOSPITAL INFO ナース版

vol.98

特定医療法人社団 聖美会 多摩中央病院

URL
http://www.tama-chp.or.jp/
住所
〒206-0021
東京都多摩市連光寺2-62-2
TEL
042-374-2111
  • 病院の特色
  • 看護部理念
  • 教育プログラム
  • 看護部長からのメッセージ
  • 職場訪問
  • 先輩ナースによるリアルトーク

病院の特色

院長の挨拶

 多摩中央病院は、明治天皇ゆかりの聖蹟桜ケ丘(都立桜ケ丘公園)の向かいの丘の上に位置し、多摩川と乞田川を見おろす、豊かな緑に囲まれた環境にあります。開設から54年を過ぎた349床の精神科病院で、日本医科大学と縁の深い病院です。近年の薬物療法の進歩に伴い、早期発見と早期介入によって病気を軽いうちに治すことができるようになりました。そのため、当院では急性期治療病棟を2010年4月に開棟しました。ここでは個別の開放処遇に重点を置き、病状に応じた対応を行っています。一方、長期入院を必要とする高次脳機能障害や神経認知機能障害、認知症で合併症のある場合についても、ご家族のご事情についての相談に心を尽くしています。また外来医療においても、2011年春からデイケアだけではなく、医療観察法通院にも対応するなど、サービスの多角化に努力しています。また、2013年4月にはクロザリルの治療を実施している医療機関(CPMS登録)として登録されました。私どもは、明るく、親切な、しっかりした病院を目指しています。「しっかりした」とは精神医学、医療、臨床、そして法令遵守の面でも全ての面で確実にということを意味します。

院長 一瀬 邦弘

多摩中央病院の理念

誠実な医療
信頼される医療
親切な医療

以上を基本に、奉仕の精神にのっとり、患者さまの人権を尊重します。また患者さま、ご家族、地域の皆さまに貢献できる医療を行うことに努め、地域医療の役割を果たせる病院作りを目指します。

多摩中央病院

1959年に120床の病床数で開業した。2006年に349床に変更し、2010年には急性期治療病棟がオープンした。また、長期入院を必要とする高次脳機能障害や神経認知機能障害、認知症で合併症のある場合についても手厚いケアを行っている。外来医療では2011年にデイケアのみならず、医療観察法通院にも対応するなど、多方面に渡る医療を行っている。

看護部理念

看護部理念

「親切な心をもって 一人ひとりの患者さまに、信頼される誠実な看護を提供し実践する」

看護指針

  • 笑顔にて接遇を実践する。
  • 患者さま一人ひとりに貢献できる看護を提供する。
  • 患者さまの人権を尊重する。
  • 自己啓発に努め、看護実践力をたかめる。
  • 医療チームの一員として連携の充実を図る。

教育プログラム

看護師教育の特徴

 中途採用がほとんどで、精神科の経験が長い看護師が多いのが特徴です。したがって、看護師教育では看護の基本や手技はあまり必要ではなく、当院に即した内容となっています。病棟構成や患者さんの特徴についてなどが中心ですね。
 看護師の経験はあっても、精神科の経験がない人は最初に高齢者や寝たきりの方の病棟に配属します。この病棟でこれまで経験したことに加え、精神科看護を学んでもらっています。その後、2、3年のスパンで異動し、経験を積ませています。
 採用にあたっては見学時に私が本人への聞き取りと説明、施設案内を合わせて1時間から2時間をかけていますので、入職時点でそれぞれのキャリアを把握できています。そこで、看護師それぞれのスキルを当院の中でどう活かしていくかということを考えています。

新人教育の特徴

 全くの新人採用は少ないのですが、プリセプター制度を導入するなど、受け入れの準備を整えています。病棟のスタッフは優しいですから、事細かく指導していますね。アットホームな雰囲気ですし、誰にでも相談してもらえます。教育は教える側の振り返りにもなるものです。

実習の受け入れ

 平成25年度から受け入れを始めた看護学実習は、現在、災害医療センター附属昭和の森看護学校と佼成看護専門学校の実習を受け入れていますが、今年度に1校、来年度にも1校と受け入れる看護学校が増えていく予定です。私自身は都立松沢病院での経験が長いですから、どれだけ増えても大丈夫だと思っています(笑)。現場の看護師は実習指導者資格を持つべく、研修に励んでいます。現在は3人、今年度には新たに5人が資格取得予定です。
 実習生が来ると、病院の雰囲気が変わるんですよ。教える側も自分が分かっていないと教えられないですから、勉強してこなかったことを勉強し直す機会になりますし、患者さんにとってもフレッシュな人たちとの関わりは良い刺激になります。

勉強会

 勉強会は細かく開催しています。例えば今週でしたら、月曜日から水曜日にかけて向精神薬の副作用や高プロラクチン血症についての勉強会があり、来週は向精神薬とメタボリックシンドロームの関連についての勉強会があります。院内研修のほか、院内研究発表会もあります。また、日本精神科看護技術協会の研修など、外部研修にも積極的に参加させています。

復職支援

 一般科の病院に比べると、手技はさほど問題にならないと思います。可能な限り、患者さんと接してほしいです。プリセプターとまではいかなくても、主任クラスのスタッフをプリセプター的な存在としてつけて、相談しやすい雰囲気にしています。勤務体系も日勤だけのシフトなど、それぞれの希望を伺っています。

教育にあたって心がけていること

 ラダー教育も一つの方法だとは思いますが、私としては看護師一人一人のポテンシャルを引き出すことを心がけています。それぞれのいいところを伸ばしながら、当院に合わせて、必要なことを学んでほしいです。そして、大切なことは繰り返し学べる体制作りだと思います。

教育部門での新展開

 私が3年前に入職してからは教育部門を一人で引っ張ってきたのですが、このほど教育委員会を立ち上げ、3人のリーダーを配置できました。これからはスタッフの中から教育に関する活動が提案され、チームで動けるようになっていけるはずです。看護師自体も増えましたが、今後は精神科部門での認定看護師を誕生させたいですね。そういった外部研修にも病院負担でサポートしていきます。
 私としては看護師の採用に繋がるようなシステムを作り、当院のホームページにブログを設けるといった、看護部からの情報発信も展開したいです。地域密着をさらに意識してやっていければ、看護師の採用にも繋がると期待しています。

看護部長からのメッセージ

看護師を目指したきっかけ

 私が高校3年生のときに祖母が直腸がんで入院したのです。病院が私の通学路の途中にあったので、毎日のようにお見舞いに行っていたら、祖母のいた病棟に白衣を着た男性が勤務していました。医師ではなさそうですし、何をしている人なのかと女性の看護師さんに尋ねたら、その男性も看護師だと聞いて驚きました。37、8年前の秋田では男性看護師は認知されていない存在でしたからね。それで、私も看護師になりたいと思い、看護学校について調べて、当時の能代市内にあった2校の看護学校のうちの一つに入学したんです。結局、祖母は私が高校在学中に亡くなってしまったのですが、男性看護師の存在を教えてくれたのですね。

看護師を続けてきた理由

 具合が悪くなって入院される患者さんを手助けし、回復に繋げ、患者さんが笑顔で「お世話になりました」と退院されるのが嬉しく、この繰り返しが看護師を続けてきた理由ですね。誰かに力になってさしあげていることで、自分の生活が成り立つのは素晴らしい仕事だと思います。私自身に一番、向いている仕事ですし、辞めたいと考えたことは一度もありません。

自身の看護観

 自分の心に余裕がないと、患者さんに優しくしてあげることはできません。この看護観は一貫して変わらないですね。私が看護学校を卒業した頃は男性看護師は精神科か、手術室か、救命救急センターか、透析室に配属されることがほとんどでしたが、私は最初から精神科希望でした。外科は傷を縫って治ったりと、目に見える変化がありますし、内科もそういう面があります。でも、精神科の疾患は目に見えにくい分、患者さんと接してコミュニケーションを取り、いかに手助けして回復させるかが大事です。こういう仕事がしたくて、ずっと精神科で働いています。

多摩中央病院の特徴

 1959年に創立された精神科の単科病院で、今年で55年目を迎えます。時代のニーズに合わせて変革をしてきており、現在では高齢者病棟や急性期病棟も完備しています。今は認知症の患者さんも多いですし、社会的なストレスで急性期病棟に入院される方も少なくありません。
 精神科の病院は都心から離れたところに建てられることが多く、当院も同様です。しかしながら都市化が進み、病院の周りに住宅街ができていくんですね。その中で当院は地域に浸透している存在であることも特徴です。夏に院内で盆踊り大会を開いているのですが、700食分の焼きそばがあっという間になくなるんですよ(笑)。

福利厚生

 私が入職したときは4週6休でしたが、これは看護師の定着に関わりますし、東京都の精神科病院協会の加盟病院のレベルに合わせ、病院全体で4週8休プラス祝日休に改める対応を看護部として働きかけました。有給休暇は1年目でも20日間あります。入職後の3カ月は試用期間ですから、その間は3日間なのですが、残りの9カ月で17日間ということですね。また、日帰りでの職員旅行も行っています。

今後の展開

 アウトリーチは国の方針ですし、地域のニーズに合わせて、訪問看護室を充実させたいですね。現在、ステーション化の構想中です。また、認知症はこれからさらに増えていくと予想されますので、高齢者に対応できる病棟についても規模などをシミュレーションしているところです。医療の進歩で平均寿命が伸びていることは喜ばしいことですが、このエリアはニュータウンで、急速な高齢化が進みますから、当院としても適切に対応していきたいです。

ともに働きたい看護師の人物像

 精神科の看護の仕事が好きな方を望みます。患者さんに笑顔で話しかけることができ、医療の進歩や疾患に対する考え方の変化に興味を持てる方がいいですね。しかしながら、精神科での経験がなくても大丈夫です。最近はそういうスタッフが何人も入職してきましたし、受け入れ体制は整っています。患者さんの顔や特徴、業務内容を覚えるまでは大変かもしれませんが、慣れてくると楽しいですよ。

看護師として働く方へのメッセージ

 看護師としての仕事を好きでいてください。好きでないと続きませんし、経験の中でこそ、見えてくることもあります。多少、嫌なことがあっても根気よく頑張っていれば、いいところも見えてきますよ。そして、看護師として、職業人として、プロフェッショナルとして洗練してくるはずです。

職場訪問

先輩ナースによるリアルトーク

多摩中央病院に入職を決めた理由をお聞かせください。

藤原:都立病院でずっと看護師をしてきましたが、子育てをしながら仕事も続けたいとなると3交代での勤務は厳しかったんですね。それで、家の近くであることと精神科病院であることで探していたら、この病院が見つかりました。

もともと精神科でのお仕事が好きだったのですか。

藤原:看護学生時代に実習で精神科病院に行き、患者さんと話しているうちにやってみたいと思うようになりました。様々な看護がありますが、患者さんへの関わり方によって、患者さんの状態が変わるのは興味深かったです。ただ、一般科の経験もしたかったので、まずは広尾病院に勤務し、それから松沢病院に転勤させていただきました。

見学にいらしたときの印象はいかがでしたか。

藤原:スタッフが次々に挨拶してくれて、アットホームな雰囲気なのがいいなあと思いました。ただ、建物は古いという印象を受けました(笑)。

多摩中央病院でのお仕事はイメージ通りですか。

藤原:仕事と子育ての両立がきちんとできる点ではイメージ以上です。急性期病棟は入院があるので残業が発生することもありますが、今は慢性期病棟にいますので、ほとんど残業はありません。働きやすい病院なので、続けられているんだと思います。

現在のお仕事の内容を教えてください。

藤原:70床の女性慢性期で勤務しています。長期に入院されている方が多いので、治療というよりも生活の場ですね。患者さんは病的なストレスを体験されているので、それを理解し、どうしたら穏やかに過ごせるのかを考えて看護しています。高齢者がほとんどですし、介護も必要です。転倒などの事故も起こりやすいですから、皆で話し合いながらケアに努めています。

お仕事のどんなところに遣り甲斐を感じますか。

藤原:慢性期で長期入院の患者さんは毎日、同じことの繰り返しであると考えられがちですが、その患者さんの目標や楽しみを見つけるようにしています。そういう個別性に合わせた看護ができたときは遣り甲斐を感じますね。外科の処置のように目に見えやすい変化は少ないですが、患者さんが辛いと思っていることを表出してくれたり、患者さんが安定して過ごしているところに出会えると、心に寄り添う看護ができていると実感します。

病棟の雰囲気はいかがですか。

藤原:経験豊富なスタッフが多いので、子育てとの両立に関して理解があります。看護にしても、皆が色々な病院を経験していますし、中には施設を経験した人もいるので、それぞれのキャリアを活かして教え合える、温かい病棟です。新しいスタッフが入職したときにも皆で支援して、フォローしていますよ。

多摩中央病院に入職したとき、どういう研修があったのですか。

藤原:看護の基礎や看護記録に関する研修がありました。座学では医師からの疾患についての講義もありましたね。座学にしろ、実践にしろ、ハードルは高くなく、取り組みやすい内容です。

女性慢性期病棟では、どういう新人教育を行うのですか。

藤原:いわゆる新卒のスタッフを迎えた経験はまだありません。実習の受け入れは行っており、実習指導者が専属となって担当しています。

プリセプターとして新人に指導する際に気をつけていることはどんなことですか。

藤原:自分が分かっていることを伝えるのは難しいですね。でも、新人が全く分からない状態から一人で夜勤ができるようになる過程を見守るのは親のような気分です(笑)。しかしながら、自分だけの看護観の押し付けにならないように、色々な人の意見をバランスよく取り入れるように心がけています。

多摩中央病院での勤務で、どんなことが勉強になっていますか。

藤原:何気なく生活しているような慢性期の患者さんであっても辛い思いを抱えている人がいます。若い患者さんで入院生活が長引いている人もいます。一見、自立しているように見える患者さんでも社会復帰となるとハードルが高くなる人もいます。患者さんとの会話の中からご本人が訴えられない何かを見つけること、変化や行動を見ることは勉強になりますね。ほかのスタッフとも情報交換は活発にしています。精神科の患者さんは優しい方ばかりなんです。辛いことをおっしゃらないので、患者さんが辛いことは何か、どうしてこうなったのか、患者さんは何を伝えたいのかを読み取るためのコミュニケーション能力を磨いていかなくてはいけません。

福利厚生などはいかがですか。

藤原:入職した頃よりも休みが増えましたので、かなり楽になりました。有給休暇も取りやすいですね、毎月、病棟で話し合って決めています。

将来の目標をお聞かせください。

藤原:慢性期の患者さんを看ていますと、社会復帰できそうな方もいます。病院にずっと入院しているのは辛いはずなので、そういった患者さんの社会復帰への支援をこれまで以上に行っていきたいです。主治医と個別に話し合ったり、社会資源を使うにあたってはケースワーカーとの話し合いも必須です。当院には作業療法士やカウンセラーもいますし、看護師とは別の視点からの意見を聞くのは勉強になるので、今後も他部門との連携を進めていけたらと考えています。

多摩中央病院に入職を考えている看護師さんや看護学生にメッセージをお願いします。

藤原:精神科の看護は特殊だと敬遠されている方がいるかもしれませんが、経験豊富な看護師が揃っていますので安心してください。子どもが熱を出したり、保育園や学校から呼び出しがあっても、皆が「お互い様だね」と言い合っています。子どもにとっては母親が一番ですから、職場でサポートがあるのは嬉しいですよ。病院がワーク・ライフ・バランスに力を入れていますから、働きやすい職場です。また、看護学生の実習受け入れも次世代の教育に関わっている点で魅力があります。是非、見学にいらしてくださいね。

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