「兵庫県立淡路病院」紹介ページ

HOSPITAL INFO ナース版

vol.47

兵庫県立淡路病院

URL
http://www.awaji-hosp.sumoto.hyogo.jp/
住所
〒656-0013
兵庫県洲本市下加茂1-6-6
TEL
0799-22-1200
  • 病院の特色
  • 看護部理念
  • 教育プログラム
  • 看護部長からのメッセージ
  • 職場訪問
  • 先輩ナースによるリアルトーク

病院の特色

院長の挨拶

 1956年に開設された兵庫県立淡路病院は県立病院としてがん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病の4疾患や救急医療、災害医療、周産期医療、小児救急、へき地医療の5事業の国や県の政策医療を高度専門的に推進しています。また2001年からは淡路市、洲本市、南あわじ市のかかりつけ医を支援し、医師会とともに地域医療の充実を図る兵庫県初の地域医療支援病院となり、淡路地域の中核的医療機関の役割も担っています。2007年からは厚生労働省の地域がん診療連携拠点病院に指定され、地域医療機関との連携パスやがん相談支援センター、医療機器の整備、市民広報などがん診療体制の強化にも力を入れています。
 また厚生労働省臨床研修指定病院をはじめ各学会の専門医教育研修施設の指定を数多く受け、多くの若い研修医や専攻医の教育研修を行っています。2013年度の開院を目指して、新病院の建築が2011年1月にスタートしました。日々進歩する医療に対応し、患者さんに信頼される安全・安心な医療の提供を目指して、新病院を作り上げたいと思っています。最近の医療、とりわけ公立病院を取り巻く環境は一段と厳しさを増してきていますが、県立病院が果たすべき役割をしっかり見据えて、着実に発展させていかなければなりません。私も県立病院24年(がんセンター、加古川医療センター)の経験を生かし、少しでも前に進んでいきたいと思っています。

                                                院長 加堂哲治

基本理念

病院訓
親切
清潔
進歩

基本理念
1.患者さんに信頼される安全・安心な医療の提供
2.地域中核病院としての救急を含む急性期医療の提供
3.高度専門的医療の提供
4.教育研修機能の充実による魅力ある病院づくり

兵庫県立淡路病院

兵庫県立淡路病院は淡路島の中心部である兵庫県洲本市に位置する中核病院である。診療科目は20科で、一般病床377床、精神病床45床、結核病床26床、感染症病床4床の452床を数える。1956年の開設以来、地域住民のニーズに応えながら発展を続け、現在は地域がん診療連携拠点病院の認定を受けるなど、高度医療にも力を入れている。

循環器内科

 淡路島島内での循環器疾患は、当院完結型で対応し急性心筋梗塞、急性心不全など24時間緊急体制を整えている。現在、日常臨床で行っている循環器疾患の主な検査として、心電図、心臓超音波検査、運動負荷心電図、24時間ホルター心電図、24時間血圧計、末梢血管超音波検査、ABI、負荷心臓核医学検査、64列冠動脈CT、電気生理学的検査、冠動脈造影検査などが挙げられる。冠動脈疾患に対しては経皮的冠動脈形成術、STENT留置術を積極的に行い、徐脈性不整脈に対してはペースメーカー治療も行う。

消化器内科

 淡路島は「胆石」の頻度が極めて高く、その検査・処置が多いことが特徴である。消化器内科グループでのカンファレンスは週2回行われ、消化器グループ一丸となった治療を行う。また、内視鏡としては、外科(消化器外科グループ)にも日本消化器内視鏡学会指導医の医師が3名おり、週1回行われている外科との手術症例報告・手術予定症例検討カンファレンスや月2回行われている外科との消化器勉強会などで活発に論議を交わし、診療へと還元している。

アレルギー・膠原病・血液内科

 白血病、悪性リンパ腫などの血液疾患の診療を行っており、クリーンルーム2床を有し、通常の化学療法のほか、移植治療まで幅広く行う。また、関節リウマチに対して生物製剤の使用やLCAPなどといった治療も行う。膠原病専門外来は水曜日午後、血液専門外来を金曜日午前に行っている。

外科

 外科は病院開設以来、人口16万人の淡路島の外科医療、外科救急医療をほぼ一手に担ってきた。特徴は高齢者の手術症例の多さ、救急症例の多さである。通常の手術症例に対する治療成績が優れていることは当然として、悪条件の多い高齢者救急症例に対しても日本最高水準の治療成績を誇る。多数の熟練した専門スタッフによる責任ある診療体制があり、全スタッフが病院から10分以内の職住近接による365日24時間の診療体制を持つ。一貫した早期診断、早期治療を心掛け、最新鋭の画像診断システムなどを駆使した妥協のない術前診断を行う。内視鏡治療、鏡視下手術などの低侵襲治療を活用しているほか、麻酔科医、常勤病理医による術中迅速診断など良心的な病院システムを構築している。

整形外科

 淡路島唯一の三次的救急病院であり、また淡路島は超高齢化社会でもあるため、必然的に外傷や高齢者の骨折の患者さんが多く、外傷手術、人工関節手術、リウマチの患者さんに対する関節手術、 靱帯損傷などのスポーツ傷害に対する手術、頚椎や腰椎などの脊椎疾患に対する手術を積極的に行う。また、早期離床によるQOL向上、早期社会復帰を目指し、なるべく早い時期に手術を行い、クリニカルパスを用いて、看護師、リハビリテーション科などと連携し、治療している。

産婦人科

 産科部門は正常妊娠、分娩管理のみならず、併設されているNICUと密接に連携した母子センターが兵庫県下の母体搬送受け入れシステムの拠点病院として機能し、糖尿病、高血圧、甲状腺機能異常などの合併症妊婦、切迫流早産、子宮内胎児発育遅延、多胎妊娠、血液型不適合妊娠などのハイリスク妊娠、分娩管理を行っている。
 婦人科部門は一般良性疾患がメインであるが、悪性腫瘍に関しても二次、三次検診治療施設としてハイレベルな医療を提供している。年間手術数は約200~250例で、最近は内視鏡手術が増加している。悪性腫瘍については、早期発見、治療だけでなく、進行がんに対しては、手術、放射線、化学療法を組み合わせた積極的な複合治療を行っている。

精神神経科

 総合病院としては珍しく半閉鎖病棟があり、精神保健福祉法に基づく精神科病棟45床を有するため、軽症の方から重症の方まで幅広い入院対応が可能となっている。また、総合病院精神科として、身体合併症のある患者さんにも対応している。外来では、疾患としての気分障害、パニック障害などの神経症、統合失調症、認知症などを治療している。

小児科

 淡路島の小児医療の基幹病院として、24時間体制で小児科医が常勤し、救急医療に力を入れるとともに、腎疾患、循環器疾患、神経疾患、発達・フォローアップ、アレルギー疾患などの専門医療にも力を注いでいる。

脳神経外科

 くも膜下出血を始めとした脳卒中と頭部外傷を中心に、脳腫瘍、認知症との鑑別で重要な正常圧水頭症や慢性硬膜下出血など、あらゆる脳神経外科疾患に24時間体制で対応している。超急性期の脳梗塞に対する血管内治療や破裂脳動脈瘤によるくも膜下出血に対する早期クリッピング術、またはハイリスク例でのコイル塞栓術を行う。重症な状態で脳神経外科へ入院した患者さんを専門的に治療するハイケアユニットも4床あり、重症頭部外傷に対する低体温療法なども可能である。この部屋の空気もヘパフィルターによって清浄化されるなど、充実した設備となっている。

耳鼻咽喉科

 淡路島における耳鼻咽喉科の基幹施設として、診療、患者サービスのより一層の充実を目指している。救急、急性炎症、慢性炎症、良性腫瘍に対する急性期治療と手術を中心に行う。悪性腫瘍に関しては、主に検査・診断を行ったうえで、初期悪性腫瘍については当院で治療を行い、進行した悪性腫瘍に対しては大学病院などと連携を取っている。

放射線科

 放射線科は画像診断部門、IVR・血管造影部門、放射線治療部門の3部門で構成されている。画像診断部門ではMR、CTなどの高額医療機器を配備し、地域連携のうえで予約検査として質の高い画像診断を提供している。放射線治療部門では各診療科との連携を図り、チーム医療によって患者さんへのケアの充実を目標としている。IVR・血管造影部門では予約検査、交通外傷などに対する緊急検査に対応できるよう体制を整えている。

皮膚科

 湿疹、かぶれ、蕁麻疹、アトピー性皮膚炎、にきび、水虫、イボ、とびひ、やけど、皮膚がんなど、皮膚に関連するあらゆる病気を診察している。手術治療も積極的で、手術治療が必要な患者さんには月曜日に全身麻酔手術を、水曜日に局所麻酔手術を行う。また、デルマレイ-800による紫外線治療やパッチテストなども行っている。

歯科口腔外科

 開業歯科医院では治療が困難な歯科疾患や口腔外科疾患を対象として診療を行う。口腔外科としては淡路島で唯一の入院施設を有しており、全身麻酔下での手術や入院管理下での治療も行っている。口腔外科全般に加え、有病者歯科治療・抜歯、障害者歯科治療、歯科恐怖症や嘔吐反射の強い患者さんの歯科治療、外傷や顎骨骨折、顎関節症、歯性感染症、のう胞、口腔粘膜疾患、口腔がん、顎変形症、睡眠時無呼吸症候群のマウスピース作成など、幅広く診ている。

リハビリテーション科

 救急医療に対応した急性期リハビリテーションを中心として、脳血管疾患等リハビリテーションⅠ、運動器リハビリテーションⅠ、呼吸器リハビリテーションⅠの施設基準のもとで早期離床を目指している。整形外科疾患、中枢神経疾患、外科術後、廃用症候群、運動発達遅滞などの小児疾患などが主な対象疾患である。

看護部理念

看護部基本理念

患者さん一人一人の人権を尊重し、患者中心の看護を提供します。

看護部基本方針

  1. 患者さんの意志と人権を第一に考えた看護を提供します
  2. 患者さんへ良質の看護を効率的に実践します
  3. 患者さんの安心・満足を高めるICを実践します
  4. 地域及び他部門・他職種との意思疎通を図り、チーム医療に貢献します
  5. 組織人として経営に参画します
  6. 自律的に職務に取組み、専門職としての責務を果たします

看護部目標

淡路病院の基本理念・基本方針を受けて

1)患者・家族の満足の向上/チーム医療の推進
2)看護の質の向上
3)人材育成
4)経営の参画

の4つの視点で取り組む。

平成23年度看護部 具体的目標

(1)患者・家族の満足の向上/チーム医療の推進
患者・家族・地域社会の方に安心・安全な看護、心温かなサービス、待ち時間の少ない診療、納得のいく説明、などの視点から目標を立案

○高齢者に応じた看護の提供・在院日数への短縮
 地域・在宅看護への支援を行い、早期に安心して退院できる地域連携室、地域施設との連携推進、効果的な退院調整の推進
○院内クリティカルパスの作成と/地域連携パス活用と評価
 (最も自部署で多い疾患について5つ作成)
○インフォームドコンセントの充実
○看護師の接遇・看護ケアに関するクレームはゼロ
○看護師養成への貢献(実習指導の充実)
○チーム医療の連携と強化
 緩和ケア・スキンケア・ICT・NST
 退院支援チームの連携
○コメディカルとの連携
 職種拡大により、医療クラーク、看護エイドを含めたチーム医療
○多職種との役割分担と看護師の役割拡大

(2)看護の質の向上
患者さんに満足を与え、しかも普段の看護業務のプロセスの中に潜む無駄やムリ、ムラを省くことにより、限定されたマンパワーで充実した看護業務を展開する視点から立案

○EBNに基づく看護実践高齢者看護の充実
 定期的なケースカンファレンスの実施
○看護技術のレベルアップ
 自部署における看護技術の検討
○看護のリーダーシップの発揮
○医療安全・感染対策の徹底
 自部署におけるヒヤリハット検討会の業務改善
○固定チームナーシングを効果的に使う
 受け持ち看護師の役割を果たせる
 小集団活動での看護業務の改善
 自部署の中で問題に気づき業務を改善していく

(3)人材育成(看護力の強化・看護師の定着)
看護職員の学習と成長の結果、看護ケア力が向上し、看護業務改善につながり患者満足向上をもたらしたなど、看護レベルアップ、看護サービスの向上の視点から目標を立案

○新卒・経年者のサポートプログラムの活用・育成
 プリセプターシップの充実
○スペシャリストの養成・活用
○ワークライフバランスに配慮した働きやすい環境づくりを推進する
○キャリア開発のプログラムの活用
○地域連携のコア看護師の育成
○研修参加・学会発表の推進
 (所属で年間1つは院内外で発表を行う)
○スタッフの士気向上
 所属の中で共に相談し合える風土作り
○計画的に院内人事交流の実施

(4)経営の参画
淡路病院が経営的に繁栄・継続していく視点から目標を立案

○病床利用率の維持(89%)
○平成22年度診療報酬改定による部署での取り組み対策と漏れをなくす
○DPCの評価に基づき、問題点を明確にし、改善策を考える
 クリティカルパスの新規作成と見直しを行う
○7:1看護の維持(正確な看護必要度の測定ができる)
 診療報酬改定後7:1看護の施設は看護必要度15%以上にアップ
○空床ベッドの有効利用の継続
○経費削減(死蔵物品の整理等)
○超過勤務縮減の取り組み
○新病院の運用の具体化に向けた取り組み

看護部組織

看護の特色

 兵庫県立淡路病院看護部は地域密着、完結型医療を目指している病院の方針に従い、病院運営への積極的参画、各看護単位の支援、看護部委員会活動、地域との連携の4本柱を中心に活動しています。
 病院の理念、看護部理念に基づいて、毎年それぞれ具体的な到達目標を設定して活動しています。看護の専門性を生かし、看護ケアの継続、患者の個別性の尊重、セルフケア能力の向上を看護の基本コンセプトとして、患者様の生活の質の向上を目指して努力しています。
 また、看護の専門性を発揮出来るような体制づくりと院内教育を行い、ボランティアや看護エイドの協力を得て、看護師が少しでも患者様のベッドサイドケアができるように努めています。

「組織と個人」「ボトムアップとトップダウン」の組織づくり


看護基礎教育の実習施設として後輩の育成

主な実習校は下記3校です。

・兵庫県立淡路看護専門学校
・兵庫県立大学看護学部
・関西看護医療大学

教育プログラム

段階別研修

 兵庫県立病院の継続教育理念に基づき、ジェネラリスト看護師を育成する教育を実践しています。当院の看護師は平均年齢40歳と経験豊富な看護師が多く、チーフリーダー、教育委員を中心に職場全体を巻き込みながら人材育成に励んでいます。
 県立病院の採用年齢が45歳に引き上げられたことより、様々な経験を積んだ看護師が入職してくる中で淡路病院としての役割を果たすために教育計画を立て、実践しています。今年度は多くの看護師に時間内研修を受けていただこうと考え、段階にも幅を持たせています。ただし、これらの研修は強制ではありませんので、皆さんの目標や生活に合わせていただけます。

段階別研修はこちら

段階別研修の中の新任者研修(院内オリエンテーション)

 チーフリーダー、教育委員がそれぞれの役割を認識し、職場全体で新規採用者の育成に励んでいます。その結果、新人については2年間、早期離職ゼロとなっています。2年目の看護師が16名いますので、この世代の研修も重要視しています。
 厚労省の新人看護職員研修ガイドラインに基づき、年間合計約53時間の集合研修をタイムリーな課題をテーマにして実施しています。講師はCN1名(リエゾン精神看護)、CNS3名(感染管理、皮膚排泄ケア、救急看護)、看護長、チーフリーダーが中心となっています。
 また、三次救急病院として淡路島の他施設の新人も受け入れての研修を実施しており、毎回7人前後の他施設の新人が参加しています。

研修テーマ
1 患者の権利と看護者の責務・看護者の倫理綱領・接遇・災害
2 皮下注射・筋肉内注射・点滴管理・輸液ポンプ、シリンジポンプの使い方
3 医療安全対策・事故防止策・発生時の対応
4 看護記録
5 個人情報保護
6 感染対策
7 新人・既卒者1カ月後の振り返り
8 急変時の対応:チームメンバーへの応援、BLS、AED 
9 フィジカルアセスメント(呼吸・循環)心電図モニター  
10 新人・既卒者3カ月後の振り返り
11 薬剤等の管理(毒薬・劇薬・麻薬、血液製剤) 輸血の準備、輸血中と輸血後の観察
12 スキンケア、褥瘡の予防:リスクアセスメント、体圧分散
13 点滴静脈内注射
14 新人1年間の振り返り
15 院内技術習得研修

キャリア開発研修(パワーアップ研修、看護実践報告会)

 淡路病院の基本理念は、三次救急の地域中核病院として救急を含む急性期医療、高度専門的医療の提供です。また災害拠点病院、地域医療支援病院、地域がん診療連携拠点病院としての役割を実践するための知識の習得を目指し、年間11回の時間外研修を実施しています。自主参加ですが、毎回好評で100名前後の参加者があります。もちろん、院外からの参加も受け入れています。

1 災害医療とは(CSCATTT)
災害医療技術・看護、トリアージ、傷病者受け入れ体制
2 循環器疾患に必要な基礎知識
3 ACS患者の看護に必要なフィジカルアセスメント
4 認知症看護
5 呼吸器疾患に必要な基礎知識
6 急性呼吸不全患者の看護に必要なフィジカルアセスメント
7 がん性疼痛の看護
8 がん化学療法時の看護
9 脳血管障害に必要な基礎知識
10 脳血管障害急性期患者の看護に必要なフィジカルアセスメント
11 急性期医療提供における後方支援病院への看護師の役割

OJT

 段階別研修ではキャリア開発のきっかけを提供するに過ぎず、実践は現場のOJTが中心となり、最も重要な成長の場となります。その部署のコアとなる看護長、チーフリーダー、教育委員の関わりがとても大切です。OJTではともに考え、ともに行動する方法が効果的だと考えます。理解しているつもりではなく、言葉で確認することが重要です。

院外研修(認定・専門看護師)

 当院にはCNS(リエゾン)1名、CN(感染管理、皮膚排泄ケア、救急看護)3名、プレCN(認知症)1名がいます。CNSとCNがコラボレートしながら特定の分野で熟練した看護技術と知識を用いて水準の高い看護実践ができ、現場や院内研修や新人指導の場で教育や指導を通して、院内全体の看護ケアの向上を図っています。

委員会活動

 看護部の課題を達成するために、各看護単位から看護長がスタッフを推薦し、看護部長が承認した委員を中心に年間計画を立案して、9つの看護部委員会が活動しています。

・教育委員会
・チーフリーダー会
・臨床指導者会
・看護記録委員会
・感染リンクナース会
・看護基準・手順委員会
・リスクマネジメント看護部会
・地域連携推進委員会
・看護の質向上委員会

学会発表

・日本透析医学学会学術集会・総会  2009.6.7 横浜市
 <血液透析導入期看護~シャント手術先行を意識した看護手順の見直し>
 中山真喜子

・兵庫県立病院学会  2009.8.29 神戸市
 <淡路病院臨床工学室の経済効果>
 池田紘二、原口愛子、橋本圭司

・兵庫県立病院学会  2009.8.29 神戸市
 <中央手術室での診療材料管理 ~コスト削減への取り組み~>
 渡辺 円、入口泰子、岩田令子、大塚江利、児玉明子、延安悦子

・兵庫県立病院学会  2009.8.29 神戸市
 <淡路病院における血液曝露事故の現状と対策>
 正司貴美子、児玉明子、西林知恵

・兵庫県立病院学会  2009.8.29 神戸市
 <敷地内全面禁煙の取り組みについて>
 嵯峨和弘、森 義統、巽 晃司、福栄真司、沼田範子、広田陽一、西林知恵、新家啓子、中内美穂、 八田健、桑村圭一

・兵庫県立病院学会  2009.8.29 神戸市
 <看護師の接遇向上に向けた取り組み>
 片岡サヤ、木下輝美、桶土井恭代、坂口順子、納 栄子

・兵庫県立病院学会  2009.8.29 神戸市
 <舌根沈下に対しエアウェイとヘルメット型マスクを用いNPPVを施工した一例>
 橋本圭司、原口愛子、池田紘二

・兵庫県立病院学会  2009.8.29 神戸市
 <気管内挿菅患者口腔ケアの統一 -看護ケアの定着に向けた手順作成->
 村西晶子、神代陽子、松本幸美、児嶋公子、永楽ルミ子、山本郁代

・兵庫県立病院学会  2009.8.29 神戸市
 <義歯保有の脳外科患者に対するQOL向上に向けての取り組み ~スタッフの意識改革を試みて~>
 濱田美和、杉澤美鈴、行本希実子、江口泰代、橋野和美、御幸尚美

・全国自治体病院学会  2009.11.13 川崎市
 <チーフリーダー(看護長補佐)会の効果的な運営 「応援体制を整え、時間内終了を目指した取り組み」>
 石谷明子、藪田さとみ

・全国自治体病院学会  2009.11.13 川崎市
 <舌根沈下に対しエアウェイとヘルメット型マスクを用いNPPVを施工した一例>
 橋本圭司

・東播磨支部看護実践研究発表会  2010.2.20 明石市
 <当母子センターにおける立ち会い分娩の満足度の評価>
 橋爪志穂、野津勝栄、平田喜久子、長谷川亜姫、石谷 明

今後の展開

 外部環境をタイムリーに取り入れながら自施設の役割を果たすための内部環境を考え、どう育てていくのかの視点で人材育成に全力を尽くしたいと思っています。各部署の新人の振り返りや反省会などにも参加し、新人やプリセプターなどにアドバイスをしたり、情報共有できる場を作り、困難な場面などの解決策をともに考えています。特に新人に必要なことは臨床実践能力の構造の中心に位置している「看護職員として必要な基本姿勢と態度」をしっかりと身につけることです。
 そして、「一人前 → 中堅 → 達人看護師」とワンランクずつ上げていくための支援では、どのような看護師になってほしいのか、「褒めること、一人ひとりを良く見ること」を忘れず、暗黙知から形式知へ、また暗黙知と形式知の一体化、お互いに学び合える組織文化を醸成しつつ個人の主体的学びを支援していきたいです。
 これも看護の知の進化としてチームによる実践により質の高い看護へと繋がることを確信しています。

看護部長からのメッセージ

看護師を目指したきっかけ

 人の世話をするのが好きでしたので、小学校の学芸会で看護師役をした同級生の白衣姿を見て、看護師に憧れました。「女性として自立した仕事がしたい」と思い、進路を考えたときに看護師を選びました。看護学校では実習病院で先輩看護師から指導を受ける中で、あんな看護師になりたいと思えるモデルとなる看護師に出会えたことで意志が固まりました。

看護師を続けてきた理由

 看護師2年目に脳神経外科病棟に勤務しました。そこでの看護が看護師を続けていくにあたって大きく影響しています。交通外傷などで意識障害患者さんの看護をしたとき、医師から「3カ月しても意識が回復しなかったら、このままの状態が続くでしょう」と言われました。そこで、ご家族とともに残存機能の保持や考えられる限りの看護ケアをした結果、意識が改善し、ご家族とともに喜んだときの感動は忘れられません。患者さんの生命力の強さと決して諦めないご家族にも支えられました。
 また、脳外科の医師が「手術は成功しました。後は看護婦さんの力でお願いします」と信頼してくださり、看護師独自で判断してできる生活の援助について任せてもらえ、看護師の専門的役割が発揮できたときも看護師を選んでよかったと思いました。患者さんの「生活」、「いのち」、「人生」に介入できる重要な役割があることを実感しました。

自身の看護観

「患者さんのQOLを高めるケアをすること」を大切に、これまで看護してきました。患者さんにとって何が必要かということを考え、看護業務で様々な選択をするときに、必ず患者さんの立場に立って考えるようにすれば決してぶれないと思います。
 看護長のときに、7年間入院していた患者さんの「寂しい、家に帰りたい」という希望を実現するために、患者さんの20歳の誕生日に2泊3日という外泊計画を立て、ご家族と病棟スタッフと一緒に取り組んだことがありました。人工呼吸器を装着した患者さんの搬送や自宅で安全、安楽な生活をするためには看護師だけでは実現できないこともあり、医師の了解と協力を得て、無事に実施できました。
 チーム医療の重要性が言われていますが、患者さんに一番近い存在である看護師がキーパーソンとならないといけません。実践した看護を語ることができれば、やりたい看護も見えてくるでしょう。
 個別性の看護を提供していくうえでは、まず感性豊かな人間性豊かな人に成長してほしいです。そのためには、様々な人とのコミュニケーションや経験を積んでほしいと願っています。

他の兵庫県立病院と異なる看護部の活動

 淡路島の三次救急病院として、「淡路島施設代表者交流会」を主催しています。この会は淡路島島内の看護職を中心とした代表者の会で、今年度の活動は「人材育成」と「看看連携」に絞り、情報交換を行います。療養の場が変わっても、患者さんに必要な医療や看護が切れ目なく提供され、患者さんが安心して過ごせるよう、face to face の関係づくりから始まる連携を目指しています。
 今年度の会の開催は、施設代表者会を年2回、教育担当者部会を2、3カ月ごとに、地域担当者部会を2、3カ月ごとに予定しています。

交流会組織図はこちら

福利厚生

 子育て支援が整っていますので、仕事と子育ての両立ができます。育児休業制度は子どもが3歳に達する日まで可能ですし、育児短時間勤務制度では子どもが小学校の就学の始期まで時間短縮での勤務が可能です。したがって週3日、週の合計24時間で働いている人が多いですし、これらの制度を利用して仕事を継続している看護師が多くいます。
 また、2010年度から卒後臨床指導者研修を導入し、地域の看護師とともに研修しています。
 2013年度は新病院が完成しますので、電子カルテなどの新しいシステム導入により、効率的に看護サービスが提供できるでしょう。

今後の課題

 入院患者さんが高齢化、重症化しており、24時間救急対応を行っている当院としては、安全で安心して看護が実践でき、一人ひとりが目指す看護を実践するために7対1看護配置となっています。今後も安心して看護が提供できるような環境と人材を整えていきたいと考えています。
 「患者さん一人ひとりの人権を尊重し、患者中心の看護を提供します」を2010年から看護部の目標にしています。そこで、看護師一人一人が看護師の実践力を向上させ、患者さんやご家族の代弁者の役割を担い、「看護の現場力を高める」ことが課題です。それぞれが実践した看護経験知を概念化できるように、EBNに沿った看護を提供していきたいです。
 自然あふれる、素晴らしい環境の淡路島でともに成長していきたいと思っています。

職場訪問





先輩ナースによるリアルトーク

兵庫県立淡路病院に入職を決めた理由をお聞かせください。

秋本:「何かあれば県病に」と言うほど、子どもの頃から地域の人にとってはなくてはならない信頼が持てる病院であると同時に、親しみもありました。淡路病院に入職する前、友人が当院に入院し、見舞いに行ったのですが、普段は弱音を吐かない友人がある看護師に悩みを相談し、その看護師が親身に支えている姿を見たんですね。そのときは自分の力不足を感じて落ち込みましたが、看護師の仕事の素晴らしさや患者さんへの存在の大きさを痛感し、自分もそうなりたい、淡路病院で働いてみたいと思ったことが入職の大きな要因になりました。

福岡:淡路病院は実習先の病院ということもあり、学生の頃から間近に見てきました。先輩の皆さんが生き生きと楽しそうに仕事をされたり、PTさんたちと温かく、しっかりと向き合っており、私もこの病院で先輩たちのような看護をしたいと思い、入職しました。

実際に入職してみて、当初のイメージ通りでしたか。

秋本:実習先の病院でしたので、病院のイメージは変わりません。入院、退院、日常生活援助や検査などで多忙ではありますが、患者さんの立場に立った看護の大切さを感じています。

福岡:イメージ通りです。明るく優しい先輩のもとで、看護の楽しさや喜びを感じることができ、楽しく仕事をさせていただいています。より良い看護ができるよう、カンファレンスでスタッフが一丸となって話し合い、患者さんと向き合う姿勢の大切さについて、日々、学んでいます。

新人研修を受けてみての感想をお願いします。

秋本:集団での講義や技術の研修サポートがあるほか、定期的なフォローもあります。病棟では先輩方が見守ってくれて、的確なアドバイスももらえ、プリセプターだけでなく、スタッフ全員が支えてくれていることをとても嬉しく思っています。

福岡:1-5病棟に配属された新人が私一人ということもあり、最初は不安や緊張がものすごく大きかったです。しかし、プリセプターだけでなく、スタッフ全員が温かく見守ってくださり、的確なアドバイスもいただけたお陰で、安心して仕事を始めることができました。先輩方には知識、技術、態度の3方面から一つ一つ丁寧に指導していただき、本当に多くのことを学べました。良い研修を受けることができたお蔭で、今、大変充実していますので、感謝の気持ちで一杯です。

現在のお仕事の内容を教えてください。

秋本:脳神経外科の急性期チームと脳神経外科回復期・婦人科・口腔外科チームの2つに分かれています。私はこの春から急性期チームから回復期チームに異動しました。急性期チームは昼夜を問わず緊急入院があり、意識障害、麻痺、言語障害などを抱え、集中治療を必要とする方が多く、看護師は医師と連携して24時間、患者さんと向かい合っています。回復期・婦人科・口腔外科チームは3科混合のため、リハビリを中心に日常生活援助を必要とする方、女性生殖器が病に侵されるという心身ともに苦痛の中で化学療法を受けられる方、一般歯科で治療を受けられず、手術目的で入院されたり、口腔内の病に侵されている方もいます。医師や療法士、看護師が協力し合いながら患者さんと向き合い、患者さんが元の生活に戻れるよう、「その人らしさ」を援助できるよう、取り組んでいます。

福岡:子どもが好きなので、小児看護をしていきたいと思い、小児科のある病棟を希望し、希望通り配属されました。私は内科・小児科混合のチームで、乳児から高齢者と幅広い年齢の患者さんを担当しています。高齢者の方は排泄や食事に介助が必要な方が多く、ADLの拡大に向け、スタッフが一丸となって頑張っています。一方、小児科では患者さんが安全に入院生活を送ることができるように遊びを交えながらの検温、保清、点滴刺入部の確認や検査、オペ出しなどをしています。

病棟の雰囲気はいかがですか。

秋本:学生の頃は病棟看護師は憧れであると同時に、怖くて緊張する存在でしたが、実際にチームの一員として働いてみると、チームワークが良く、家族のような温かさがありますね。先輩方はいつも患者さんの家族やコメディカルとの関わりを大切に、より良い看護を提供できるよう取り組んでいます。厳しいこともありますが、私のことを思って指導していただいているので、ありがたいと思っています。

福岡:救急受け入れや該当科病棟ですので、忙しいです。しかし、その中でも患者さんとしっかり向き合い、患者さんのための看護に懸命に取り組んでおり、優しく温かい職場です。また、業務外のレクリエーションとしてバレーボールなどがあり、医師も参加して、看護師と一緒になって楽しく取り組んでいます。病棟の雰囲気が明るく温かいので、働きやすい環境です。

辛いことはどんなことでしょうか。

秋本:患者さんのご家族は「どのくらい回復するのか、障害を乗り越えていけるのか」など様々な不安を抱えておられますし、終末期を病棟で迎える患者さんもいます。幼児から高齢者まで幅広い年齢層の患者さんがおられ、様々なニーズに応える必要がありますが、同じ疾患でも同じ経過をたどることはほとんどありません。知識や技術不足もあり、なかなか思うような結果を導きだせないときは特に辛く感じます。

福岡:失敗してPTさんに迷惑をかけてしまったときは本当に辛かったです。しかし、プリセプターをはじめ、教育委員の方やスタッフの皆さんが私のことを気遣い、慰めてくださったり、どうするべきなのかという今後の方向性を一緒に考えてくださり、前向きな気持ちを持つことができました。

教育については、いかがでしょう。

秋本:患者さんのQOLの向上や安心、安全な看護を提供するため、新人はプリセプターとマンツーマンの研修もありますし、集合研修として院内や病棟で定期的に勉強会があります。院外研修の参加もあり、自己研鑽を積むことができます。院外研修の内容を病棟で報告する場もあり、研修内容を共有して、知識や技術の向上に努めています。教える立場としては、時代に合わせて後輩の長所を生かし、1年後、2年後共に看護できることを楽しみにかかわっています。

福岡:プリセプターをはじめ、教育委員の方やスタッフの方々など、病棟全体で私のことを温かく見守り、的確に指導していただいています。プリセプターは私のレベルなどを考慮して、そのときに必要な勉強会を開いてくださっています。例えば、夜勤勤務が始まる前に急変時の対応の勉強会があり、安心して夜勤勤務に入れました。また、淡路病院は兵庫県県立病院としての教育体制も充実しており、安心して働くことができます。

休みの日の過ごし方について、お聞かせください。

秋本:同僚と一緒に食事や旅行を楽しんでいます。

福岡:仕事が忙しいこともあり、お休みのときは心身ともにゆっくりとリラックスできるように過ごしています。しかし、働く中で知識や技術面の不足を感じることが多く、自分の成長のために文献を用いて学習しています。

今後はどのような看護師を目指されますか。

秋本:日々のケアや観察などを通して、患者さんに「手で触れ、目で見て、声を聴く」ことを大切にしながら、患者さんの回復や問題解決の糸口が導き出せるように信頼関係を築き、患者さんに選ばれる、安心していただける看護師になりたいです。

福岡:辛く苦しい患者さんの入院生活の中で「心身ともにホッとでき落ち着ける存在」でありたいと思います。そのためにも、知識や技術を多く身につけ、素敵な看護師になれるよう努めていきたいですね。高齢者だけでなく、患児も内に秘めた力を持っていると思います。その力を少しでも引き出せることができるよう、患者さんの立場に立ち、しっかりと向き合っていきたいです。

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